★ 2001 ピレネーと北スペインの旅
スペイン国旗  ◆ 8日目(5月31日) 【旅の全体地図】 目次へ
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【本日の旅程】=サンテイジャーナ・デル・マール→アルタミラ→コミージャス→
→ピコス・デ・エウロパ→フェンテ・デ(泊)

◆ サンティジャーナ・デル・マール <Santillana del Mar>
 朝から生憎の雨、せめて強い降りではないことに感謝すべきか。
9時半から、現地ガイドのリーさんを迎えてサンティジャーナ・デル・マールの観光に出かけた。(リーさんは、なかなかの男前であり、ロンドン育ちの陽気で愉快な人であった。)
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町の家並み
 ←中世の面影を残す街並み
 昨日も散策した通りを、今日は傘をさして再度ぶらぶら。通りには、15〜18世紀にかけての貴族の館も立ち並び、それは中世の町そのものの佇まいであるという【写真上2枚】。近年になって、この町のそんな佇まいが発見された。保存状態の良さはほとんど奇跡的だといわれたそうだ。急ぎ保護地区に指定され、急速に観光地として脚光を浴びるようになった。
 静かな石畳の道沿いに、1軒の土産店があった。入口の石壁には素焼きで創られた可憐な少女が微笑んでいた【写真右】。それはいかにも素朴で美しく感じられた。昨日、家内はこの少女らに誘われ、この店でお土産を買うことになったらしい。店の中は沢山の魅力的な土産品で溢れていた。
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土産店で見掛けた”少女”たち→

◆ 聖フリアナ教会と親子馬
 この道の突き当たりが、聖フリアナ教会であった【写真】。12世紀に建てられたが、当時では巨大な建物であることが災いして、その重さで傾いていくので14世紀になって補修工事が行われた。その際、ゴシック様式に作り替えられたのだという。回廊は、スペインでも指おりの美しいものである。ここにはロマネスクの時間が止まっており、その時代の彫刻群が息づいていた【写真】
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聖フリアナ教会
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ロマネスクの彫刻たち

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一部、蔦を這わせて隠してある回廊
 回廊の3面は12世紀に造られたものだが、東側の1面は14世紀に改修されたもの。不似合いなので、今は蔦を這わせて隠してあるのだそうだ【写真右】。 
 教会の裏から帰る途中の草原に昨日の親子の馬が居た。小雨の中、子馬は親馬のそばで足を投げ出し横になっていた。「死んでいるのかな?」誰かが呟いたら、みんなの足が止まってしまった。動かぬ子馬をじっと見つめて親馬も動かない。「オーイ!大丈夫かー?」誰かが声をかけた。子馬は、むっくり起き上がり、僕らをぼんやり見つめた。夢から醒めない様子であったが、ともかく、やれやれ、である。大丈夫みたいだね・・・みんなニコニコしながら、ホテルへ急いだ。


◆ アルタミラ洞窟壁画 <Cuevas de Altamira>
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アルタミラ洞窟への入口
 ホテルからバスで10分位。11時20分、アルタミラに到着した。
1879年、古美術収集家のマルセリーノ・サンス・デ・サトウオラは、幼い娘のマリアと共にピクニック出かけた。連れていた猟犬が崖の隙間から中に入ったので、その後を追ってマリアが入り、「お父さん、牛よ!上を見て(=アルタミラ)!」と、叫んだ。それが、思いがけない洞窟壁画発見の最初であったと言われている【写真】
 全長270mの洞内には、入口から30mの所に、長さ18m、幅9m、高さ12mmの巨大な岩の上に、20数頭の動物の群が描かれている【写真】。ヨーロッパでもその規模と描かれた絵の美しさから“先史時代のシスティーナ礼拝堂”と言われるようになった。40年程前は、1日に4千人程が訪れていたそうだが、現在は壁画を保護する為に1日15人に厳しく制限されており、洞窟入口近くに行くのも特別許可が必要であった【写真】
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アルタミラ洞窟の壁画
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洞窟の天井


◆ アルタミラの丘
 事実上、洞窟内には入れなくなった観光客の為に、洞窟近くの記念館では解説と写真展示、洞窟内を撮影したビデオが上映されていた。
 近くの丘では、先史時代を知る為、子供たちが狩りの体験学習をしていた【写真】。真剣な表情で先生の話を聞き、大きな野牛の絵に向かって一斉に槍を投げる子供たち、微笑ましい情景であった。
 洞窟のある丘から周囲を眺めると【写真】、丘陵の森は消えてみどりの畑地に変貌し、ブルドーザーが動き、クレーン車や大型トラックの姿もあり、整備されつつある観光用道路が伸びていた。そのうち先史時代の面影は、跡形もなくかき消されていくのであろう。
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狩りの体験学習
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開発が進むアルタミラの丘


◆ コミージャス<Comillas>観光
 丘の上に建つ貴族の館で昼食。(カナッペ、野菜と海老の玉子とじ、サーモンのムニエル、カスタードパイ、コ−ヒ−・紅茶・ワイン・水・ビール付) 13時40分から、歩いて観光を始めた。
 坂を下り、市庁舎のわきに建つ聖クリストファー教会【写真】を眺め、広場に面して建つ歴史を感じさせる街並も眺めながら、ゆっくり歩きの散策を楽しんだ。その街並の商店の2階には、それぞれに花飾りがしてありとても美しい眺めであった【写真】
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コミージャスの商店
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聖クリストファー教会→
写真をクリックすると拡大画像が見られます  丘陵地の上部一帯は、新興ブルジョワジーが築いた避暑地であり、中でもガウディが設計したエル・カブリーチョ(気まぐれ邸、或いは綺想館)は、ひときわ目立つ建物であった【写真下】。このアラビックな雰囲気は、ガウディ建築の一つの特徴である。壁一面を覆うひまわりの花は、快晴の日の熱い太陽に輝きを増し、きっとそんな日に生彩を放つに違いない。今日は雲が低く垂れこめ、残念ながら冴えない表情である。ガウディは自分が設計したこの館を、完成後初めて見にきたという。彼と肩を並べてベンチに座り、「ガウディさんらしい素敵な館だと思います。さすがですね!」共に館を見上げながら、語り合った【写真】。館の前にたつと、谷向こうの丘に法王庁大学の校舎が威厳ある姿を見せていた【写真】
←エル・カブリーチョ (気まぐれ邸)
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ガウディ像と一緒に眺める
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法王庁大学の校舎を望む


◆ ピコス・デ・エウロパ <Picos de Europa>
 15時、コミージャスを後にした。途中、カンタブリア地方の、もう一つの美しい町:サン・ビセンテ<St.Vicente>を通り抜け、一路“ヨーロッパの屋根” ピコス・デ・エウロパへ。美しい渓谷が続く山道を遡ると、峻険な山懐にひっそりと、今夜の宿:パラドールの姿が現れた。
 16時30分、無事到着。急いでチェックインを済ませ、17時、パラドール横から伸びるロープウェイに乗って山頂(1926m)へ。しかし、残念ながら山頂は視界5メートル位の霧に包まれ、期待の展望は望めなかった。それでも、濃霧の中を展望台まで歩いていった。遠くは何も見えなかったが、足元に咲く小さな花々を沢山眺めることが出来た【写真4枚】。約束の40分は、あっと言う間に過ぎ去った。霧の向こうから添乗員の声が聞こえてきた。「最終のロープウェイが出ますので、急いで下さ〜い」。
可憐な花々可憐な花々可憐な花々可憐な花々
可憐な小さな花々

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