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小雨に煙るアッペンツェルの町 |
覚悟はしていたものの、やっぱり雨なんだーーとガッカリしてしまう。出来たら、メルヘンチックな風景に1日どっぷり浸かってみようと思っていたのであるが、こんな天候では仕方がない。古都ザンクト・ガレン<St.Gallen>を訪ねてみることにした。
9時過ぎ、ホテルを後にした。駅まで、歩いて5分の近さである。駅前は少し高台になっており、町並の向こうに緩やかに続く丘が見えた。柔らかい色の緑の丘は小雨に煙って、一層心休まる優しい景色に見えた【写真】。こんな眺めもいいもんだな、と思い乍ら見とれる。9:38発の列車に乗り込んだ。
◆ ザンクト・ガレン <St.Gallen>
牧歌的な景色は一変して大都会。ザンクト・ガレンも雨であった。バスや電車や人通りも多く、駅周辺はモダンな高層ビルが建ち並び活気に充ちていた。此所は、スイス東北部を占めるザンクト・ガレン州の州都である。8世紀前期の僧院に始まる歴史的古都として有名であるし、その旧市街はしっかり保存されているらしい。
傘を持つ手が冷たくなった。スニーカーも雨に濡れ、低くなった気温に体も冷えてしまった。まずは駅前の公衆トイレで体勢を整え、オールドタウンの大聖堂を目ざすことにした。インフォメーションに寄って地図を手に入れたが、自信をもって歩くことが出来ず、通りがかりの婦人に確かめてみたらオールドタウンはすぐ近くであった。その中心、そこがザンクト・ガレン修道院(現在は州庁舎として使われている)であり、同じ敷地の南西側に建っているのが目ざす大聖堂であった。(1983年に世界遺産として登録されている。)
◆ ザンクト・ガレン大聖堂 |