2008ヒマラヤ・ネパールの旅

◆3日目(3月7日)曇りのち晴れ

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◆霧に包まれて

 5時に起床した。静かな朝である。手袋をした手でカメラを抱きかかえ、まだ夜明け前の屋上に出た。霧で白く煙る中に黒い人影が一つだけあった。「お早うございます!」動いたシルエットを見て、A氏であることがすぐに分かった。初めてここを訪ねた氏の期待は、僕より遥かに大きいものであったのだろう。折角の新しい一眼レフカメラなのに、エベレストの姿が見えないのではシャッターを切ることも出来ない。「仕方がないねぇ・・・」彼は苦笑いをしながら、両手に抱えていたカメラを霧の中の僕に向けて構えると、「カシャリ!」。せめてもの1枚である。記念の撮影をしてくれた。


霧に包まれた太陽

 次第に明るくなった頃、2人、3人と同行の仲間がやって来たが、皆無念な気持ちを抑えきれない様子。6時25分、朝日が顔を出す時刻である。少し風が出て来た。若しかしたら、霧が流され一瞬の後にヒマラヤのモルゲンロートを見ることが出来るかもしれない・・・奇跡を期待して粘ってみたが、空しく時間だけが流れて行った。
 部屋に帰って荷物の整理を済ませる。7時になっても霧は晴れず、高く昇った朝日だけがぼんやりと見えていた(写真左)。空気が澄んでいたら、この太陽の下には、赤く染まったヒマラヤが横一列に並んで見えているはずなのである。今回も期待は裏切られた。残念無念である。


ナガルコットに咲いていた花

 朝食を澄ませてホテルに別れを告げる。玄関前には、朝露にぬれた黄色い花が沢山咲いていた(写真右)。もう訪れる機会はないだろう。心を込めてカメラに収めた。
 8時、出発の時間になった。ナガルコット、さようなら。

◆世界遺産のカトマンドゥへ


ナガルコットの丘

 近くの山々が雲海の上に横たわる清々しい朝の展望を楽しみながら、バスはゆっくり細い尾根の道を下り始めた。ガイドが言った。「此処は雲海の上の天国、雲海の下は地獄ね、これからカトマンドゥに向って下って行きま〜す。」(写真左、下)


雲海の下がカトマンドゥ

私立学校に通う清楚な身なりの女学生がスクールバスを待っていた

 住民の朝は早い。山を下りると、通りでは商いが始まっており、通学バスを待っている女学生の姿もあった(写真左)。

 

 

 街に入ると、路上にも果物や野菜を並べている人たちが沢山居て活況を呈していた(写真下)。


野菜を売る露天商で賑わう歩道

 街中を流れる川は、格好のゴミ捨て場になっている箇所も多く、不衛生極まりない(写真下)。

河原も川もゴミだらけだが、この辺りは良いほうだ

生きたまま逆さに吊るされた鶏はじたばたしない

 道が交差する中心街入り口近くでは、路肩に商品を並べて商いをする人、通行する人、自転車、バイク、荷車、自動車などが犇めきあっていた。しかし、人々の顔に格別の緊張感や焦燥感など感じられないから面白い(写真左、下)。


混雑を極める街角の生活道路

◆市内観光

 この街角に建つ総合雑貨店でトイレを済ませ、此処から歩いて市内観光が始まった。以前に何度も訪ねたことのある場所なので懐かしく思ったが、殆ど変わっていない街の様子に感心し乍ら見物した。

<総合雑貨店>→<カスタマンダブ寺院>→<クマリの館>→<ハヌマンドゥカ>→<スワヤンブナート>


クマリの館(生神だから写真撮影禁止。止む無く無人の窓だけを写す)


クマリの館(壁面を飾る木彫の人物と鳩)


クマリの館、窓枠の繊細な木彫りが素晴らしい


大きな荷物が人力で運ばれていく


異常に多い鳩の群れ


子供が鳩を追い回して遊んでいた


ハヌマンドゥカ旧王宮


ハヌマンドゥカ旧王宮で衛兵と


ハヌマンドゥカ旧王宮の庭でおしゃべりに夢中な女学生


シヴァの化身であるカーラ・バイラブの像。この像の前でうそをつくと死んでしまうと信じられている。


ネパールでは神様扱いをされている牛の廻りに無数の鳩がたむろしていた


カトマンドゥの中心:ダルバール広場のシヴァ寺院


旧王宮の窓には、広場を見下ろす王夫妻の姿があった


広場には鷲の羽をもった保護神:ガルーダ像が在った


広場には自転車に果物を満載した露天商も沢山いた


この広場にもお面を売る店があった


スワヤンブナート(カトマンドゥ盆地がまだ湖だった頃から丘の上に建っていたという伝説を持つヒマラヤ最古の仏教寺院。「目玉寺」又は「猿寺」とも呼ばれている)


仏陀と子犬(以前は猿が沢山居たが、今回は犬の姿ばかりが眼についた)

仏陀と鳩


広場で眠る子犬と鳩、眠くなるような平和な情景であった。


スワヤンブナートからカトマンドゥの街を見下ろす


年老いた猿の姿もあった


ストゥーパの塗装は、白い石灰をバケツで撒きながら作業していた

◆ポカラへ


[GYAKOK]:モモ、スープ、ご飯、デザートが付いた

 エベレストホテルで昼食を済ませ(写真左、下)、空路ポカラへ向う。


料理について説明を聞く

ホテル玄関に咲いていた変な花

スモッグに覆われたカトマンドゥを見下ろす

 15時15分、双発のプロペラ機(OY135便)は、予定より1時間遅れてカトマンドゥを飛び立った(写真右)。
 凡そ30分のフライト。雲が無ければ、右側にヒマラヤの連峰が見えるはずである。期待を胸に、急ぎ右側の座席を確保した。しかし、晴れているのにも拘らず、ヒマラヤだけは雲に覆われていて見る事が出来なかった。何時になったら顔を見せてくれるのであろうか。

 15時46分、無事ポカラ空港に着陸した。暖かく気持ちのよい風と赤い花々が迎えてくれた(写真下)。

笑顔でポカラ空港に降り立つ


空港に咲いていた花

ホテルの表札

 空港から車で5分、SHANGRI-LA VILLAGE RESORT に直行する。玄関に降り立った時には想像出来なかったが、玄関ホールを抜けて中庭に出てみると、そこには池があり沢山の花々が咲き乱れ蝶が舞っていた。ゆったり並ぶコテージのベランダにも花の棚が造られてあり快適な日陰を楽しめそうである。旅の疲れを癒してくれそうな、正にSHANGRI-LA RESORTであると思った(写真左、下)。此処に3連泊の予定である。


ホテルの正面玄関



ホテルの庭に咲いていた花々


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