★晴ればれ・2004・スイスの旅

◆19日目(9月7日)晴れ

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◆今日はドライブ

 8時過ぎにホテルで朝食。他にも年配のカップルが食事をしていた。いつの間にチェックインしたのだろう?
 9時半、約束の時間になってもなかなか二人が現れず心配した。ホテルに確かめたら、30分遅れるとの電話連絡があったという。しかし、15分位の遅れでやって来た。圭子さんが予約していた内科検査の都合によるものだったらしい。

◆ユリア峠越え


深い渓谷で記念撮影


 サン・モリッツへ通ずるAlbulapass越えの道を進んだが、分かれ道になる交差点に立ててあった「工事のため通行止めになる」という看板を見落としてしまい、20キロ近く引き返す羽目になってしまった。途中、深い渓谷の見えるビューポイントで停車、記念の写真を撮った【写真・左】。一度通過したユリア街道入り口まで後戻りして左折、ローマ皇帝シーザーが開設したというユリア峠を越えて行くことになった。1988年に、サンモリッツからクールまでバスで越えた懐かしの峠である【写真・右下】


ユリア峠への道



シルヴァプラーナ湖


 峠の手前に、マルモメーラ湖あり。人口のダム湖であるが、底には二つの村が沈んでいるらしい。ハンスのガイドを聞き乍ら通り過ぎた。12時、VIBIOのレストランで小休止。ヘーゼルナッツ入りのパンを半分ずつとコーヒーで腹ごしらえ。ユリア街道を下りると、そこは懐かしいシルヴァプラーナの村であった。T字路を左折、湖に沿って走ると間もなくサン・モリッツに到着したが、ここもそのまま通過。ベルニナ山群の方に向って走った。

 白い山を指差して、Pitz Pallu, Pitz Berninaと、ハンスは言った。しかし、懐かしい白い峰はモヤっていて期待していた程の輝きがない【写真・下】。彼は、この景観を見せたくてはるばる此処まで来てくれたのである。それを思うと、尚更に残念の極みである。


ベルニナ山群

◆素敵な出逢いを思い出す


Ospizio Bernina
 
 2時近くになって、Ospizio Berninaのホテル前【写真・左】に到着。此処はおよそ標高2200位の分水嶺であり、スイスの鉄道駅では最も標高の高い所である。森林限界を越えているので一本の草木もない荒涼たる眺めであるが、嬉しい思い出のある場所なのである。
  先年、東大の医学部教授とベルニナを取材中に知り合い、車で旅行中の先生に送っていただいて別れたのがこのホテル前であった。絵の好きな先生で、個展にも家族で見に来て下さったことがある。そんなご縁で、昨年の大手術に際しては、大きな力を貸していただいた。今日、思いがけずこの場所に立ち、その日のことが懐かしく思い出された。人との出逢いの不思議と幸運、改めて感謝の気持ちを新たにしたことであった。

 ホテルのレストランで遅いランチ(スパゲッティとサラダ)を摂った。以前、ソーリオ村のホテルで、オーナーのリカルドが是非泊って絵を描くといいと勧めてくれたホテルである。「B+B 40」という看板が出ていた。一人40フランで泊めるということである。日本円に直すと3500円位かな?「安いね」と語りあった。

 レストランは満席の賑わい。このあたりはイタリア語圏であり、ウエイターもウエイトレスもイタリア語で注文を聞く。お客は様々で、テーブルで絵葉書を書いている人あり、ガイドブックや地図を広げて見ている人ありで、国際色豊かであった。

◆痩せる氷河


Lago Biancoとピッツ・カンブレーナ
 
  レストランの窓から湖と氷河のある山が見えた【写真・右】。左側のピークがサルヴァソーネ、右のピークがピッツ・カンブレーナ(3602)。緑がかった乳白色をしている湖は、何故かLago Bianco(白い湖)と言う。近くに座っていた若い男が教えてくれた。気温が高い所為であろう、此処の景観もすっきりとは見えない。岩肌の露出の状態をみて、氷河が早い速度で痩せ細りつつあるのではないかと思われた。

懐かしい眺めを楽しみながら

 此処からもと来た道を引き返す。道に沿って、ベルニナ鉄道の路線が通っている。ベルニナが見えるあたりにLook Outがあり、ベンチには老人カップルの姿。車を停めて、しばし一緒に展望を楽しんでいたら、汽笛が鳴った。大急ぎでスタンバイする。先年、終点のティラーノまで往復したことのある懐かしい赤い電車が現れた【写真・下】


ベルニナと赤い電車

 T/Cをキャッシュに換える為、銀行を探し乍ら走る。ポントレジーナ、サンモリッツ、シルヴァプラーナを抜け【写真・下】、マロヤ峠まで走ってしまったが見つからず、諦めてUターン。懐かしい観光案内所に立ち寄り聞いてみたが在りそうもなく、再度ユリア峠を越えてクールへ戻ることになる。Tiefencastelでコーヒーブレイク。此処で、すぐ近くに銀行を見つけ、T/Cをキャッシュに換えることが出来た。


ベルニナ・アルプス

 クールのコープで、チーズを買い、今回も小人を二人連れて帰ることにした。ホテルに帰着したのは7時少し前。皆疲れたが、特にハンスは大変だったと思う。しかし、そんな様子は少しも感じさせない彼、つくづくタフな男だと思う、何度も礼を述べて別れた。

ライン


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