★晴ればれ・2004・スイスの旅
◆13日目(9月1日)快晴
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 5時頃、外を見たら月が煌煌と輝きアイガーの姿もくっきり。天気予報が当ったようだ。
 7時半、朝食。パルナスでは出なかったゆで卵もあり、リッチな気分。駅前のバス停に急ぎ、8時発の始発バスに乗ることが出来た。ホテルが駅から近いのはありがたい。

◆グローセ・シャイデック峠へ


水(Wasser)を入れる大きなタンク
   バスは、ほぼ満員の乗客を乗せて定刻にスタートした。高い山に囲まれた街は、まだ朝靄に包まれており人影もまばら。バスは細い山道を峠に向ってぐんぐん登った。対向車が来たらすれ違えそうもないな・・・と、心配していたが、1台の車も現れなかった。しかし、もうすぐ峠というあたりで、狭い道一杯に作業中の車がいて進めなくなった【写真・右】。作業が終わるのを待つしかない。全員、静かに作業を見守った。

 グローセ・シャイデック峠は、爽やかな朝の空気に包まれていた。
峠に在る牛舎から、カウベルを鳴らし乍らゆっくり出て来た牛たちは、朝日に照らされ始めた草原に向って歩き、美味しそうに草を食む。峠のはるか向こうにも日が射しはじめ、遠く近く、のどかに響くカウベルの音に合わせて峠の朝は限りなく平和である。急いで、スケッチブックを広げた【画像・下】


『峠の朝』油彩画(30号)

 峠で出逢った日本人夫妻と挨拶を交わした。スイスが好きで何度も訪れているとのことであった。我々と同年輩であり、いかにもマイペースで仲良く自然を楽しまれている姿を美しいと思った。写真を撮らせてもらい、名刺交換。個展を見に来て下さるとのこと、楽しみである。


道の向こうにグリンデルワルド


  登って来た道を振り返ると、アイガーが鋭角的な姿で聳えていた【写真・左】。街から見上げる山と、とても同じ山とは思えない。眺める角度を変えると、こうも違った山になるものか。アイガーの新しい魅力を感じながら、再度腰を据えて写生にとりかかった。

◆歩きを楽しむ


アイガー北壁

ヴェッターホルンとシュレックホルン

  フィルストまで歩くことにした。高度差は凡そ200メートル。緩やかな上り坂が続くが、展望の素晴らしさで人気のコースである。遠くまで点々と、家族連れやグループの姿が見えた。標準コースタイムは1時間15分。展望を楽しみ【写真・左】、草花を愛で、牛たちと遊び乍ら【写真・下】、ゆっくり歩いた。

妻と牛とシュレックホルン



カルリナ・アカウリス

キルシウム・アカウレ

CAPTION

CAPTION

ホタルブクロ

ワタスゲ

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野生のブルーベリー

 道端の斜面で、何か草の実を摘んでいるファミリーと出逢った。聞いてみると、ブルーベリーを摘んでいるのだと言う。I’m Korean と言った女性が、少し分けてくれたのを試食。ほのかな甘味のある素朴な味がした。丈の低い紫色のヒースに似た花が群生しているのに混って、同じ位の丈のブルーベリーが生え、其処に小さな実がついているのに気がついた【写真・右】。良くみると、其処此処に沢山あるではないか。しばらく、ブルーベリー摘みに熱中した。

 12時をまわったので、草付き斜面に腰をおろしてランチ(サンドイッチ、バナナ、オレンジジュース、リンゴ)。天気良し、展望良し、気持ち良いそよ風を受け乍らのランチは、最高である。


絢爛豪華な花飾り

  フィルストのレストランでビール。乾いた喉を潤した。上村さんの追悼を済ませて、真っ直ぐゴンドラバー駅に下る。以前、駅入り口近くに建つ小さなペンションに泊ったことがある。格別に美しく花で飾られていたので忘れられない宿屋であるが、今日も、其処に懐かしい姿が健在、一段と美しく飾られている花々が見事であった【写真・左/右下】

美しい植え込み

◆もう一頑張り

 車道に出て、右折すればホテルだが、左折した先に教会が建っていたことを思い出した。未だ陽が高い。疲れたから先に帰ると言う家内と別れ、もうひと頑張りすることにした。しばらく坂道を登ると、白い壁の教会が西日を受けて建っていた。後ろに聳えるヴェッターホルンと相まって、なかなかに魅力的な景観である【写真・下】。又、此処で腰を下ろした。


ベッターホルンと教会

 今朝、部屋を出る時、室内に置いておくよりベランダの方が天然の冷蔵庫になるかな、と思い、チーズやソーセージなどをベランダのテーブルの下に置いておいたのだったが、大失敗。西日をまともに受けて、みんな温かくなってしまっていた。帰路、Coopで買い求めたビールが冷たいうちにと、早めのディナー。用心の為、食後に薬を飲んでおいたが、何事もなかった。


アイガーの夕焼け


  8時頃、アイガーのピークが赤く染まった【写真・右】。明日も快晴になるだろう。日帰りで、ミューレンへ行くことにしよう。

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