★ 2003 ニュージーランドの旅
◆18日目(2月1日)曇り・時々晴 前の日へ
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【本日の旅程】=フッカー谷(氷河湖往復) 南十字星

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◆奇跡的な再会

 6時半頃、ベランダから見えるセフトンの一部にモルゲンロートが見られた。急いでカメラを抱え外に出てみたが、間に合わなかった。残念である。
 昨夜の雨は上がり、雲はあるし風もあるが、陽が差している。7時半前に、ホテル本館のコーヒーショップに出かけて、朝食を済ませた。エレヴェーターの中で、家内は知人と出会い、“Kさんではありませんか?”と声をかけた。声をかけられたご婦人は吃驚されていたが、すぐに思い出し、偶然の再会を喜びあっていた。10年昔、スリランカへのツアーで一緒になった方だそうだ。それにしても、大変な奇遇であり、しかもお互いよく覚えていたもんだ、と感心する。

◆再度、フッカー谷へ

 強風はおさまらないが、昨日程ではない。再度、フッカー谷に行ってみることにする。昼食を用意し、昨日と同じ場所に車を停め、9時15分、スタート。
第一の吊り橋までは、実踏済み。相変わらず、強い風が吹いたが、昨日のように四方八方から、突然襲ってくることはない。昨夜の雨で道は所々水溜りになっており、それを避けて進むためイバラの原を歩かねばならなかったが、高度を稼ぐうちにそれは無くなった。、昨日の暴風の凄さを物語るかのように、あちこちにマウンテンデージーの無惨な姿がさらされ、痛々しい光景であった。第一の橋を渡り終え、時計を見たら10時であった。

◆第二の橋を渡る

 昨日撤退した地点から第二の吊り橋までは、予想通りすぐ近くであった。第一の吊り橋に比べると短いな、と思った。近づいてみると、橋は断崖絶壁から対岸に向かって吊るされており、防護柵は作られているものの、崖に刻まれた細い道を行かねばならない。崖下には、昨日の雨で増水した氷河湖から流れ出る白濁した水が渦を巻き、ごうごうと唸りながら流れていた。高所恐怖症の家内ではあるが、かつてはアルプスやヒマラヤだって歩いてきたというプライドがある。彼女は意を決し、崖に身を寄せ、崖下が見えない様にして通過した【写真左】。 その姿を望遠で見守りながら、彼女には風の音も水の唸りも聞こえていないだろうと思う。続いて橋を渡り始めた【写真右】。左右の手を伸ばしてロープを握り、しっかりした足取りで渡って行った。橋は、第一の橋と同じで、堅固に作られていた。途中、強風が襲ってきたが、それ程の揺れはなかったようだ。


◆第二の橋を渡る◆

◆断崖絶壁を行く◆

◆Mt.Cookに接近

 橋を渡って間もなく、二人掛けのベンチがあった。風の当らぬ岩陰にあり、 Mt.Cookがよく見えた。若し、帰路に天候が収まっていたら、このベンチに腰を据えて写生をしようと決め、先を急いだ。道の右側を流れる川は次第にその川幅を狭め、氷河湖が近くなったことを窺わせた。何人もの人とすれ違った。あれから凡そ1時間余り歩いたあたりで、外国人カップルの奥さんに尋ねたら、「まだ遠いけれどもaround thereだ」と言い、山のridgeを指さした。木道を辿り、右手にシェルターとトイレを見てしばらく歩いたら、突然氷河湖の一端が見えてきた【写真右】。湖畔には11時10分に到着。
◆もうすぐ氷河湖◆

◆氷河湖

 氷河湖は、冷えきった空気に包まれ静寂の中に在った。湖面には大小の氷塊が漂い、冷たい風が吹いていた【写真右・上】。Mt.Cookもスッキリと見え、近づき過ぎたという感じはしない【写真右・下】。風がなければ、湖面にはその姿が投影されて格別の景観を見せてくれるであろう。
5分も経たない内に、冷たい風に体温を奪われ寒さが身にしみてくる。素晴らしい景観なのだが、此所で腰を据える訳にはいかなかった。湖畔に居たのは10分位であろうか、名残りを惜しみながら、帰途につく。

◆氷塊が漂う◆

◆真近に見るMt.Cook◆

◆シェルター

 山道の途中にあるシェルター近くで、雨がぱらつき始めた。いわゆる「狐の嫁入り」である。強風も相変わらずである。シェルターで雨宿りすることにした。ほぼ3メートル四方の小さなシェルターには、木製のベンチとテーブルが取り付けてあり、Mt.Cookが展望出来るように、ガラス窓も取り付けてあった。雨・風が防げて大助かりである。ついでに此所で昼食をとることにしようとしたら、ネパール人のガイドに引率された日本人グループがやってきて、彼等も弁当を食べ始めた。ガイドは携帯コンロで湯を沸かし、メンバーにコーヒー、ティーをサービス。ついでに、家内にもサービスしてくれた。雨は降ったり止んだり。幸いにして窓越しにMt.Cookの姿は見えるので、僕は一人写生に取り組んだ。
 彼等が出発したら、又日本人ガイドに連れられた別のグループがやってきて、賑やかに昼食。家内は又も、暖かいテイーをご馳走になっていた。元気に出かける彼等を見送り、僕らは帰途につく。無事、駐車場に帰りつき、ランチ・パート2。キャンプ場では、読書をしている人や楽しそうに料理を作っている人など、思い思いにエンジョイしている人たちの微笑ましい姿があった。宿に帰り、ひと眠りする。

◆南十字星

 11時頃、外に出て空を見上げて驚いた。何と言う素晴らしい星空であろう!天の川がはっきりと天空を横切り、無数の星が煌めいている。南十字星も確認することが出来た。事前に夏の星座を調べ、その形とお供の二つの星の位置も確かめておいたので、間違いはない。「確かに、あれが、南十字星なんだ!」二人して飽かず眺めた。首が痛くなるまで。

 



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