★ 2002 花いっぱいスイスの旅
◆18日目(7月28日)  晴れ 目次へ
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【本日の旅程】=移動

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◆快適だった4泊5日


ピエールとサンドラ

女将のヒルデガルド

 6時起床。昨日に優る天候となったが、9:20Waldhaus発のバスで出発することにする。朝食後、ピエールとサンドラに玄関まできてもらって記念撮影(女将のヒルデガルドは、まだ寝ている、とピエール)【写真左・上】。お世話になったサンドラにはチップをはずんだ。ルームメイドにもDanke!のメモと共に、10フランをナイトテーブルの上に置いてきた。玄関前の花々が、朝日を受けて美しく輝いていた。【写真右下】
 9時前、女将が起きてきたので、急いでツーショット【写真左・下】。ピエールがバス停まで車で送ってくれた。偶然の素敵な出会いもあって、気持よくステイ出来た4泊5日であった。


玄関前の花々


◆旅の知恵

 2階建てのバスがやってきた。荷物を積み終え、ホッとして座席に座った。ふと、今まで座っていたバス停のベンチを見たら、何と自分のザックが1個だけポツンと置いてあるではないか!思わず大きな声を出してしまった。“ジャストモーメント!”二人とも疲れが出てきたのかもしれない。
 クールには定刻に到着。バスターミナルから、列車の出発ホームへ直接エレベーターを利用して降りる。ホームに荷物を置き、家内は一人で列車の切符を買いにいった。紙にコースを書き“このルートで”とお願いしたら、すんなりいったという。相手によってはモタモタする場合があるから、時間がない時はよい方法かも。だんだんと旅の仕方に慣れと知恵がついてくる。

◆親切な車掌さん

 列車は定刻(10:22)に動きだした。アルトシュテッテン11;17着。直ぐに次の列車へ乗換えと思っていたら、乗り継ぎの為に短い距離だがバスで移動するのだ、と車掌が説明してくれた。なるほど、切符にはバスの絵がかいてあったが、そんな乗換え方法なんて知るよしもなかった。車掌は、アルトシュテッテンに到着する前にやってきて、「到着したら教えてあげる」と言ってくれた。そして、本当に列車から降りてバスの乗り場近くまで案内してくれ、「5分後に白いバスがくるから」と言い残すと、まもなく動き出した列車に乗って行ってしまった。まことに心のこもった親切であり、行き届いたサービスである。手を振って謝意を伝えた。

◆バスで乗り継ぐ赤い電車


乗継ぎ用バス

 ほどなく白いバスがやってきた【写真右】。ドライバーにチケットを見せ、間違ってないことを確かめ乗車する。ドライバーは、ほんの少しだけ走ると、“Here”と言う。そこがアルトシュテッテン駅であった。此所で列車に乗りかえるらしい。ドライバーが指差す方向に、赤い列車(Appenzeller Bahnen)の1部が見えた【写真下】。それは、せまい町中を走る路面電車のようにも見えた。

“That red train?”
“Yes”。
 最後尾の1輛は、天蓋なしのオープン車両で、すでにほぼ満席になっていた。僕らは、普通の車両に乗り込む。若い女性駅員が親切に面倒をみてくれた。
11:28発、Gaisに11:47着。ここでAppenzell行(12:10)の列車を待つ間に、ホームのベンチでパンやバナナを食べた。12:21分、無事アッペンツェルに到着した。


赤い列車(Appenzeller Bahnen)

 

◆アッペンツェル

 アッペンツェルは、これで2度目の訪問である。スイスの東北部に位置しており、東にオーストリア、北にはドイツとの国境が近い。いわゆる観光開発から取り残された古き良きスイスの趣きを残している田園地帯である。スイスにあっては超保守的な地域とされるが、そんなことはどうであれ、その景観がメルヘンティックかつ牧歌的であり、心休まる感じがしてすっかり気に入ってしまった村なのである。家内は、昨年も友人と一緒にきているので、3年続けての訪問となった。


エイズ撲滅ポスター

 懐かしいホームに降り立ち、何気なく駅構内に建ててある看板をみて、ドキリとした【写真右】。それは、エイズ撲滅の為のポスターであった。前回は気が付かなかったから、最近になって建てられたものであろう。この村には、あまりにも似つかわしくないものだと思ったが、これも現実ということであろう。

 

◆勝手知ったるアッペンツェル


メインストリート

小さな教会

 家内は連続して訪ねている街なので、およその様子が分かっている。先ずは、ホテル・ヘヒトに行ってみた。以前とはオーナーが変わりB&Bになったらしいが、応対してくれた女性の感じもよかったので、とりあえず2泊することにした。部屋は、通りに面したスタンダードに決めた。早速、カメラと写生道具だけを持って、町の散策にでかけた。家内は、観光案内所に行くと言っていた。
 綺麗なメインの通りには、さほど人影はなく【写真左・上】、小さな教会がひっそりと建っていた【写真左・下】
 町の中心にあるゲマインデ広場がなにやら賑やかなので、そちらへ行ってみる。サーカスでも?と思ったら、何と特設スタンドが作られており、そこではサンドバレー(女子)の試合が行われていた【写真右下】。海岸を持たない山国のスイスで何故?といささか奇異に思えたが、その逆の理由だってあるのだろう。スピーカーも気勢を盛り上げていて、褐色に日焼けした若人が躍動する姿に、しばし見とれてしまった。それにしても、広場周辺のホテルはさぞかし煩いことであろう。
 この「ゲマインデ広場」は、現在でも年に一度だけ4月に野外集会を開き、住民参加の討議が行われることで有名な所である。民族衣装に身を包んだ代表者達が行う開会の儀式は、今は観光用であるが、話しあわれる議題は本物だと言う。1991年になって、ようやく女性の参政権が認められたという超保守的な村での野外集会、現在はどんな議題が話し合われるのであろう。そんな興味もあってか、当日は近隣から大勢の人たちが集まるそうだ。


サンドバレー

 

◆また、小人を二人


◆小人たち◆

シャボン玉

 カメラの電池が切れたので、一度ホテルに帰った。丁度そこへ家内も帰って来たので、二人で買い物に出掛けることにした。毎回、楽しみにしているのだが、小人を売っている玩具専門店に寄り【写真右・上】、今回は二人だけ選び連れ帰ることにした。店の屋根の上には、今日も吹き出されるシャボン玉が、西陽を受けてキラキラと美しく舞い飛んでいた【写真右・下】
 パン屋でずっしりと重い菓子パンを一個だけ買う。広場のサンドバレーは、男子チームによる戦いが続けられていた。ホテルでもらったウエルカムドリンク券を使い、ホテル・ゼンティスのテラスでビールを飲む。西陽が強くなり、日陰でしばらく観戦したのちホテルへ引き返した。店の軒を飾る独特の看板が西日を受け、青空をバックにしたそれらは格別に美しく輝いて見えた【写真下】。まだ、時間があったので、ホテルの前に建つ教会の中にも入ってみる。歴史を感じさせる豪華な堂内、主祭壇にはSt.セバスチャンの像があった。いくつかあるステンドグラスが綺麗であった【写真下・中】。テラスに出てみるとそこは崖の上であり、足下に流れるシッター川の向こうにはアッペンツェルの可愛い町並みが広がっていた【写真下】

 

店の看板

ステンドグラス

教会のテラスから

 

 本日のディナー:アルファ米(五目ごはん)、味噌汁、やきとり、羊羹少々、そして緑茶。いささか草臥れてきた胃を休養させようと話し合って決めた粗食メニューである。

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