乗車ホームを間違え、無駄な階段の昇り降りをしてしまったが、普通列車の為、座席は空いており、進行方向左右の車窓風景を楽しむことが出来た。しかし、今日は初めてのルートを行くため、昨日アンデルマット駅でもらった接続表を手に、通過する駅名を確かめながら緊張が続く。しかも、何故か列車は遅れていた。
Disentisで、ホームにあるはずの出発時刻を示す黄色い時刻表が見当たらないので、他のホームへ行きかけた。時間が心配で出会った駅員に尋ねたら、何と同じホームの、今降りた列車の前に停まっているのが、目的の列車であると言う。“急げ!”とその駅員。間一髪であった。飛び乗るようにして乗車したら、音もなく動き始めた。すぐにやって来た駅員を見て驚いた。その駅員が、この列車の車掌だったのである。
時刻表によれば、イランツまで38分のはずなのに、その時間が過ぎても列車は停まらない。ひょっとして、通過してしまったか?と心配になる。隣の座席の娘に聞いたが分からない。ところが、後ろに座っていた人たちが、イランツは次の駅だと教えてくれた。ヤレヤレ・・・しかし、まだまだ緊張は続く。
Laaxまでのバス便について、駅前の郵便局で尋ねてみたが、窓口のお兄さんはトンチンカンなことを言う。発車時刻が迫り、焦った。しかし、バスは1台しか停まっていない。行き先表示がSAGOGNとなっているが、フリムスまではダイレクトではなく、Laaxで乗り換えだということを思い出した。ドライバーに尋ねた。“Flims
Dorf. Change at Laax?”英語は喋れないらしい彼は、両手の拳を糸を巻くようにぐるぐるまわし、“Change
at Laax”と答えてくれた。安心してバスに乗る。一息付けた家内、隣席の女性と話がはずんだ。 |