★ 2002 花いっぱいスイスの旅
◆12日目(7月22日) 曇り後はれ 目次へ
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【本日の旅程】=アルメントフーベル

(◆マークの付いた写真をクリックすると拡大画像が見られます)

◆もう1泊

 6時頃、ご来光をみる。しかし、相変わらずの雲。
 8時前に朝食。Faxにはcontinentalとあったが、ソーセージ、サラミ、チーズ、フルーツなどもついていたし、パンも美味しかった。
 水筒にお湯を入れてもらう。雲は晴れず、部屋に帰っても直ぐには出掛ける気になれない。とにかく、もう一泊、とハイジにお願いした。

◆アルメントフーベルへ


小人が遊んでいた小屋

 10時少し前に宿を出た。まず、観光案内所に寄って、明日の三峠巡りバスの予約を済ませる。バゲージ持ち込み、往路はラウターブルンネンで乗車、復路はマイリンゲンで下車できるかどうかを確かめた。郵便局前の店には、画用紙を売っているかもしれないと思い、寄ってみたが今日はクローズ。通り道でちょっと可愛い小屋を見つけた。僕の好きな小人がベランダで遊んでいた。【写真左】Coopで、ジュース、パン、チーズを買い、アルメントフーベル行のケーブルカーの片道切符を買って乗車。2度目の訪問になる。

 頂上駅は閑散としていた。駅構内の壁に「北壁トレイル、2000年6月にオープン」の案内が貼ってあった。駅前に作られているブランコや滑り台は、以前のままだ。其処此所に、新しくベンチが設置されていた。ファミリーが楽しめるように、開発に取り組んでいる様子が伝わってきた。しかし、今日の天候では如何ともしがたし。

◆お花畑に満足

 

 しばらく、ベンチに腰掛けて雲の切れるのを待ったが、三山は一瞬だけしか姿を見せてくれなかった。Northface-Trailの矢印に従って、小さな丘を登り始める。あたり一面、お花畑である【写真下】。道は直ぐに下り坂になり、道の左右には乳牛が数頭、のんびり草を食べていた。実にのどかな景観である。下りきった鞍部にFlower-TrailとMountain-Trailの道標があったので、後者を選んだ。

お花畑の花

 

 

◆三山の眺めに大満足


◆アイガーとメンヒ◆

◆ユングフラウ◆

 少しだけ急な下りを過ぎると、又しても一面お花畑が広がった。小道に沿ってバーベキュー用炉とベンチとテーブルが在るのを見つけ、此所で昼食をとることにした。何時の間にか雲が流れ、青空が拡がり始めた。ベンチで一息入れていたら、眼前には文句なしに美しい三山の姿が現れた【写真右】。昼食もそこそこに、急いで写生に取り組んだ【写真下】
 貫禄のユングフラウ、中に立って堂々たるメンヒ、そしてアイガーは左端に位置して鋭角的な稜線を雲に突き立てている。半ば諦めて登ってきたアルメントフーベルからの下り道で、こんなに見事な風景に出会えるなんて、正に幸運としか言い様がない。

◆油彩画「アルプス好日」(60×45cm)◆


 ミューレンに下りかけたが、やはりもう一度ブライトホルンや他の山を眺めてみたくなり展望の良さそうな鞍部まで引き返した。そこには、新しいベンチが置いてあり、背に張り付けてあるパネルには、次の言葉が刻まれていた。

 

In Memory of My Beloved Wife
Robin Lambert
The Song From Beginning to End
I Found In The Heart of A Friend

 

◆三山の展望を楽しみ乍ら

尾根道を牛たちがのんびり行ったり来たり、深い山峡にカウベルの音が響きわたる。シルトホルンへ上がるゴンドラが次々と登って行き、雲の中に消えた。ベンチに座り、アルメントフーベルの方向を一枚スケッチ、そして、結局もと来た道を戻ることにして坂道を下った。三山は変わらず見事な眺めである。家族連れが僕らの先を歩いていた。ミューレンに下るか、グリュッチアルプに下るか、分かれ道の標識の所で、ファミリーの中にいた爺さんに尋ねてみた。孫を連れた爺さんは、軽く答えてくれた。“グリュッチアルプまで一時間半ぐらいだよ”。そのまま信じたのが運の尽きであった。

◆危うく遭難!?

 三山を背にお花畑を左右に見乍ら、ほとんど誰も通らない山道を歩いた。
 ファミリーは、父親が子供を肩車に乗せるとスピードアップ、直ぐに視界から消えてしまった。その小路は果てしなく遠い道程に感じられた。右手に深く切れ込んだ谷の向こうの眺めも素晴らしい。カメラ片手に遠くを眺めながら歩いている時、油断があった。突き出ていた小石に躓いて転倒。咄嗟にカメラを庇って細い崖の小道を1回転、右手の人さし指と左の肘に血が滲んだ。転倒する角度が谷側に逸れていたら!と思うと、冷や汗が流れる。大事に至らず幸いであった。

  1時間半過ぎた頃、ようやく標識発見。かなり急な傾斜の道をひたすら下った。下方から電車の音が聞こえ始め、線路と駅舎らしきものがはるか下の方に見えた。疲れた足を引きずりながら、線路沿いの道に降立ったが、そこから駅舎までの道程が何と長く感じられたことか。駅のトイレを借り、ホームのベンチで一息入れる。谷の向こうに、アイガーとメンヒの姿が望まれた。明日はお別れである。時の経つのも忘れて名残りを惜しんだ。

◆親切だった宿

 ホテルに帰りついたら、時計は7時を回っており、ディナータイムに遅刻してしまった。恐縮していたら、もの静かなメイドが、笑顔で優しく言ってくれた。“急がなくてもいいですよ”

 明日の朝は早く出発しなくてはならないので、夕食の後、支払いを済ませておく。明日のマイリンゲンでの宿についてハイジに相談したら、予約なしでも大丈夫と思うが・・・と言い乍ら、「歩き方」に出ているホテル・マイリンゲンに、予約の電話をしてくれた。丁寧にお礼を述べて部屋に引き上げた。ともかく、今日は疲れ果ててしまった。

 

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