★ 2002 花いっぱいスイスの旅
◆4日目(7月14日) 一時晴、すぐ雨 目次へ
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【本日の旅程】=ベルベデーレ

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◆ベルベデーレへ

 夜中に何度も目覚めた。その都度、ベランダに雨音がしているのが聞こえ、浅い眠りを繰り返した。
 6時半頃、雲の切れ目から朝日が差し、青空も見えた。喜び勇んで、ベルベデーレへ出掛ける準備を整えた。しかし、期待に反して、すぐまた青空は見えなくなってしまう。どうもすっきりと晴れてはくれないようである。
 7時半、朝食。食堂から見える空が明るくなった。ウエートレスが、“よくなると思う”、とニッコリ。ベルベデーレのリフトも、予定通り動いていると言う。8:22のバスでペチェットへ。そして、リフト乗り場へと急いだ。
 確かにリフトは動いていた。しかし、切符売場に貼紙があり、「ベルベデーレ〜ザンボーニ間は閉鎖」と記されていた。雪解けで雪崩があり、近寄るのは危険だと言う。がっかりだが仕方がない。ベルベデーレまでの往復切符を買って乗り場に立った。

◆危なかったリフト


登りのリフト

 ザックを背負ったままリフトに腰掛けた家内は、動くリフトの上から危うくずり落ちそうになった。つかまるところもなく、一瞬パニック。しばし安全バーを下ろすのにも気が付かず、スリルと緊張のスタートであった。
 嬉しいことに、雨が上がり展望がよくなった。リフトは、モンテローザ山群に向かって、ぐんぐん高度を上げていった【写真右】。中間駅での乗り降りは、係のおじさんが手を貸してくれたので、スリルを味わうこともなく通過。ベルベデーレは、標高2000メートル。かなり寒い。セーターをヤッケの下に着込んだ。

◆モンテローザ


◆モンテローザ◆
 オレンジ色の制服を着た青年が、“ザンボーニへのルートは、closedだ”と、英語で注意してくれた。凍結しておりdangerousだという。「ザンボーニまでの1時間にわたるコースは変化に富んだハイキングコースである」、と紹介されていたので楽しみにしていたのだが、やむをえない。この近辺の散策ならばOKというので、取急ぎモンテローザが見えるポイントを見つけ、腰を据えて写生に取り組んだ。巨大なモレーンの向こうに、全身雪を纏ったモンテローザの連山が聳え立っていた【写真左】。雲の動きが早く、頂上は見え隠れしていたが、間もなく雲に被われてしまった。落ち着かない空模様だったが、雲は厚くなる一方であり、ゆっくり眺めている余裕はなくなった。

◆嬉しい出会い


◆氷河に向かって歩く◆
 次々とやってくる人たちが、尾根を辿るルートの方へ消えて行くので、僕らも行ってみることにした。尾根に取り付くまでの急斜面を手を付き乍ら登る。尾根道は展望を遮る物もない気持ちよいルートであった【写真右】。見れば、スカート姿のおばちゃんも歩いていたので驚いた。子供連れの家族の姿もあった。天気が良ければ、もっと展望を楽しめるルートなのになあ・・・と残念に思いながら歩く。しばらく歩いていたら、青青とした氷河が現れたので驚いた。それは、恐ろしい程に荒々しい形をした氷河であった【写真下】。このルートを辿る人たちの目的は、この凄まじい氷河を近くに眺めることにあったらしい。予期していなかっただけに、嬉しい出合いであった。

◆氷河◆
 モンテローザの姿が見えなくなった。心配していた雨も降り出した。立ち止まっている訳にもいかず、リフト乗り場に向かって山道を下る。雨に濡れた道を、滑らないよう気をつけ乍ら、ゆっくり下った。
 リフト乗り場のトイレを借り、リフトに乗ろうとした時、昨日のミラノグループの人たちが登ってきた。リフト乗り場近くのレストランで食事をとり酒を飲むのだと楽しそうであった。

◆雨に降られて


下りのリフト
 リフトは12:00〜13:30まで休みになるので、12時前に下ることにした。雨の中を下ったので【写真右】、下半身はしっかり濡れてしまった。ペチェットのレストランは何処も混雑していたので諦め、Staffaへの道沿いにあった店も閑散としていたのでこれも敬遠、結局宿まで帰ってきてしまった。暖かいスープを注文しておいて、一度部屋に上って着替えをした。
 食堂は結構賑わっていた。気をつけて見ると、ほとんどの人がラビオリを食べていたので、3食付きの宿泊客なのかもしれないな、と思う。僕らのテーブルには、keepしたワインとミネラル水が用意されていた。運ばれてきたスープは「おじや風」であり、じゃがいも、人参、豆、麦、ズッキーニなどが入っていてすこぶる美味しいものであった。後刻、値段を知ったのだが、高いだけのことはあると納得した。
 まだ昼下がりではあるが、雨は降りやみそうもない。部屋に帰って横になる。その内、眠ってしまったらしい。気が付いたら、8時半。慌てて、食堂へ降りた。もう、ほとんどのテーブルが空いていたが、例の若いウエートレスがにこやかにサービスしてくれた。
 サラダ、スープ(パスタ入り)、メイン(乾燥肉)、デザートは、またもアイスクリームを注文した。
 明日はお別れしなくてはならないので、荷物の整理をしておく。寒いので風呂に入るのは控え、改めてしっかり横になった。期待を込めて、初めて訪ねた土地であったが、3日も続けて雨天だったとは、・・・何とも悲しいかぎりである。再度出直せということかなどと思い慰めなさがら目を閉じた。

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