★ 2002 アンコールの旅
カンボジア国旗  ◆ 2日目(1月14日) 後半 目次へ
目次
前の日へ
前半
次の日へ
次の日
【本日の旅程】=アンコール・トム見学→アンコール・ワット見学

◆ ピミアナカス寺院
 更に北に進むとピミアナカス寺院が在った【写真下】。11世紀初頭に造られた王宮という。赤いラテライトを3層に積み上げ、全体はピラミッド型に造られていたが、規模としては小さいものであった。しかし、堂々とした風格を感じさせるものであった。王(神)の住居だから高く、階段は急な傾斜になっていた。崩壊が進んでいるようであったが、特別な保護策はとられていないように思われた。

写真をクリックすると拡大画像が見られます
ピミアナカス寺院
写真をクリックすると拡大画像が見られます
レストランの娘

◆ レストランにて
 昼過ぎて、気温は次第に高くなり、30℃は軽く超えてしまったらしい。午前中の見学はここまでにして、市内のレストラン『CHAOPRAYA』へ急ぐ。冷房の効いた部屋は何よりであった。取急ぎ冷えたビールをオーダーする。本日のメニューは、カンボジアの郷土料理をどうぞ、という事であった。珍しいものばかりであったが、日本の鮹焼きに似たものもあり、注文に応じて、可愛い娘さんが目の前で料理してくれた。穏やかな薄味のものが多く食べやすくて助かった。覚えたての言葉で「オークン!」(ありがとう)といったら、ニッコリ笑ってくれた。とても素晴らしい笑顔であった【写真上】


◆ アンコール・ワット見学
 南国の日常は、昼休みが長い。店も休み、昼寝をするのが習慣である。我々もホテルで一休みすることになった。目覚まし時計をセットして、1時間程仮眠をとった。
 15時、再び照り返しの強い道を、今度はアンコール・ワットに向ってバスは走った。
アンコール・ワットは、アンコール・トムよりほぼ半世紀前に造営されたものらしい。「東洋の至宝」といわれ世界遺産にもなっている余りにも有名な遺跡であるが、今から130年前までは誰も知らなかったと云うのだから驚きである。冒頭の目次ページに記した通りの次第で、今ようやく自分の目と足で、この地を訪れることが出来た幸せをかみしめる。
 写真にコメントをつけながら、見学の足跡を概略報告しようと思う。ご一緒して下さい。

写真をクリックすると拡大画像が見られます 写真をクリックすると拡大画像が見られます
↑アンコール・ワットの5つの塔が見えるのは、この壕を隔てた西側のこの地点だけだそうだ。        ↑西側から眺めたアンコール・ワット。池に投影する姿も美しい。この池は聖池といわれ、いくつか赤い蓮の蕾みが浮かんでいた。

写真をクリックすると拡大画像が見られます 写真をクリックすると拡大画像が見られます
ナーガは、東南アジアやインドで信仰されている蛇神。猛毒をもつコプラは動きが俊敏で神秘的、毎年脱皮することで「不死身のシンボル」として崇拝されるようになったらしい。更に、人間の世界と天上の世界を繋ぐ虹(架け橋)とも考えられたことから、参道の意匠に用いられたようである。        ↑長大なレリーフによる絵巻物。インド古代の「マハーバーラタ」「ラーマーヤナ」という叙事詩の場面が描かれているそうだ。絵巻物のように読み進んでいけばいいのだが、その叙事詩の概要を知ることが第1歩であろうか。天国、現世、地獄を3段に描き分けている壁面があったが、中でも閻魔大王がいて様々な責め苦を受けている地獄の様子は、鎌倉時代に描かれた地獄草紙に重なる場面が沢山あって興味深かった。
写真をクリックすると拡大画像が見られます   
 物語の内容はともかく、そこに描かれた絵は躍動感に溢れ、表現のエネルギーには圧倒されてしまった。ここに表現されているのは、「ラーマーヤナ」の猿軍の将ハヌマーンとラーマ王子との戦斗場面である。赤く色がついているのは、監視の目を盗んで誰かが拓本を作ったせいらしい。
 →
 アンコール・ワットの壁面には、いたる所にデバターが佇んでいた。魅惑の微笑みをたたえる女神たちは、それぞれにちがった姿をしており、気高く気品に満ちた美しさを見せていた。当時、王に仕えていた女性たちは、こんな姿をしていたのに違いない。
    写真をクリックすると拡大画像が見られます   写真をクリックすると拡大画像が見られます
写真をクリックすると拡大画像が見られます    写真をクリックすると拡大画像が見られます
 
↑遺跡内に点在する仏像の一つ。ひっそりと暗い堂内に立つ仏像は、今も庶民の信仰の対象として、年老いた坊さんに守られていた。          中央御堂は、神が住む特に神聖な場所である。容易には近付けないように、石段は急な傾斜に造られていた。従って一つの石段の奥行きは10cm位しかなく、石段全体の傾斜角度は70度位であろうか、両手を使わなくては登れなかった。自信の持てない人たちは、見上げるだけで諦めていた。

写真をクリックすると拡大画像が見られます    写真をクリックすると拡大画像が見られます
↑中央祠堂から見下ろすと、崩壊している十字回廊と第2回廊の向こうに第1回廊が在り、その向こうには西参道を往来する人の姿が小さく見えた。            ↑陽も傾いてきた西参道から望むアンコール・ワット。人の往来も少なくなった。もう、訪ねる機会はないだろうと思う。はるかな昔から神々が住むと信じられてきたこの景観、しっかり眼に焼きつけて別れを告げた。

ライン


ホームへ
HOME
目次へ
目次
前の日へ
前半
次の日へ
次の日