2000年紀へのカウントダウンは、最初リスボンのコメルシオ広場で賑やかに!と計画していたのですが、いろいろ訳があってここマルヴァンの静かな山頂で迎えることになりました。午前0時が近づくにつれ、山頂には人々が集まり、0時を期して沢山の花火が打ち上げられました。絢爛豪華に!とはとても言えないパフォーマンスでしたが、ともあれ2000年紀への幕開けを演出してくれました。出来ることならヒマラヤの、或いは雪で白いアルプスの、どこかのピークで迎えたかった新年紀の夜明けでしたが、ま、此所だって、考えてみれば山の上、立派なマルヴァン山系の、歴史ある一つのピークではないですか!(負け惜しみです)
山頂の一画に在る暖房の効かない小さなホテルのベットの中で、寒さに震え乍ら2000年紀の最初の日の出を待ちました。
マルヴァンは、スペイン国境から10キロ離れた山上に在る小さな町です。海抜860メートル余りの山頂は、ぐるりと城壁に囲まれており、一番奥まった山頂部分にお城があり、その周りは切り立った断崖です【写真下左】。自然の要塞そのものに見えます。お城の前に小さな小学校や教会があり、それらを支えるようにして住居が日当たりの良い斜面に建ち並んでいます。道は石で敷き詰められており、すべての家も石で造られています。白い壁、そして赤い屋根、適当に緑の木々も配された家並みの眺めは、青く澄み切った空を背景にして落ち着きとカラフルな美しさに光り輝いていました【写真下右】。朝食もそこそこにして、スケッチに精をだしました。 |