大威徳明王像 |
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此処に収蔵されている9体の仏像が国の重文に指定されていて有名なのだが、中でも大威徳明王像は、うずくまる水牛にまたがった異形の像であり、圧倒的な迫力であった【写真】。炎の光背に複数の顔や腕は珍しくないが、またがった足まで複数であるのを見るのは初めてであった。静かな水牛とは対照的に大威徳明王像には、激しい気迫が漲っていた。インドやネパールでの出会いであればさ程には感じなかったかも知れないが、日本のしかも秘境ともいわれるこの地で最初に出会うことになったことが、殊更に印象を深いものにしたのかもしれない。それにしても、当時の人々がこの像に対峙した時、どれ程大きな畏敬の気持ちを抱いたことだろう。僕には想像を絶する世界だったように思われた。
寺院の庭には国東半島に散在する沢山の石造文化財が集められていた【写真】。中でも国東塔(くにさきとう)と呼ばれる宝塔【写真】はこの半島だけで造られた荘重優雅な石造宝塔であり、納経とか死者の追善供養の為につくられたものらしい。 |