寒かった。寒さで何度か目覚め、トイレに起きざるを得なかった。テントを出ると、満天に無数の星が輝いていた。何度見ても心ときめく美しい眺めである。星明かりだけでは足元が暗く、懐中電灯をつけて用を足しに行く。思いがけない所から、すっと照明が飛んできたので一瞬驚いた。警備についているシェルパが確認しているのだと了解する。「ご苦労さん」の手を上げて応えたが、やたらな所で用を足すことが出来なくなった。夜中の2時頃になって、半月が姿を見せた。それだけで、青白い光に照らされたキャンプ地に、もう懐中電灯は必要なくなった。
◆ キャンプ地の朝
6時、テントにモーニングティーが運ばれてきた。甘味を利かせて熱い紅茶を飲むと、しっかり目が覚めた。よく寝ているらしい家内は、もうしばらくそっとしておくことにしてテントを抜け出した。外は未だ暗く、天空には沢山の星が煌めいていた。
6時半、家内を起して、モルゲンロートを見ようと昨日SUNSETを眺めた場所へ出かけた。山岳カメラマンのE氏は、すでにスタンバイしておられた。さすがである。 |