2009フランス&スイスの旅

◆19日目(8月2日)雨後晴れ

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6時起床、アイガーには霧がかかり始めていた(写真下)。天気予報は当たりそうである。宿賃を清算、記念に新しいナイフとボールペンをもらった。


さようなら!アイガー。

◆シャフハウゼンへ


チューリッヒ駅でシャフハウゼン行きに乗り換えた

10時、予報通り雨が降り出した。

 今日は、スイスの最北に位置するシャフハウゼンに移動する。初めて訪ねる街である。
 9時19分発インターラーケン行きの電車に乗り込んだ。インターラーケンでの乗り換え時間が少なかったので、少し緊張したが乗り継ぎが上手く行ってホッとした(写真左上)。しばらくして、雨が降り出した(写真右上)。12時、チューリッヒ。此処でも雨(写真左下)。シャフハウゼンに着いた時は、大降りになった。予報は大当たりである。
 まもなくシャフハウゼン駅という地点で、車窓からラインの滝を見ることが出来た(写真右下)。これは先日、SIBATAさんがわざわざホテルに立ち寄って教えてくれた情報があったからである。それが無かったら、気付かないで通り過ぎたに違いない。SIBATAさん、ありがとう。


チューリッヒも雨が降っていた

車窓から見えたラインの滝

 予定通りシャフハウゼンには着いたものの、外は激しい雨降りで、ホテルまで歩いて行くことは出来そうにない。タクシーを探してみたが見つからないので、ホテルに電話をして助けを求めた。電話に出た女性は、生憎一人なので迎えには行けない、と。その代わりタクシーを手配してくれた。タクシーは直ぐに飛んできた。タクシーの料金についても、SIBATAさんから貴重な情報を得ていたので、乗車する前に確認、トラブルもなく安心して乗車することが出来た。


ホテル・Park Villa

 今回、2泊の予約をしたホテルは、先日までSIBATAさん夫妻が利用されていたホテルである。建物には蔦がからまりホテル名の文字は半分しか読めなかったが、公園に隣接していて静かな環境、いささか古風な佇まいであったが好感を持った。案内された部屋も清潔であり、テーブルには果物の盛り合せが用意されていて、癒される思いで美味しく頂いた(写真下)。


部屋に用意されていた果物の盛り合せ

◆街の散策へ


シャフハウゼンの街の佇まい

シャフハウゼンの街の佇まい

 一息ついていたら、雨も小やみになり空も明るくなって来た。時計を見たら3時半、まだ午後の時間はたっぷりあるではないか。街を散策してみようと傘を借りてホテルを出た。
 シャフハウゼンはシャフハウゼン州の州都。ライン川が国境になっているのに、この州だけがライン川を越えてドイツに入り込んでいるのには、どんな歴史的理由があるのだろうか。
 坂道の多い街であった。坂道を下り、旧市街に一歩足を踏み入れると、そこには中世の面影を残す建物が静かに息づいていた(写真上)。最初に目についた大聖堂を覗いてみた(写真下)。


大聖堂

シラーの作、「鐘のバラード」のモデルになった鐘が中庭に

回廊

中庭には果樹や薬草が

そのあと、更に緩やかな坂道を下って行ったらライン川に突き当たった。雨はすっかり上がって家族連れの姿も沢山見かけられた(写真右下)。


中庭には果樹や薬草が

家族連れが多かったライン川のほとり

◆ムノート城塞と騎士の家

 時間は4時半。まだまだ日は長い。今度は、ゆっくり旧市街のメイン通りを遡った。ガイドブックに従って、高台にあるムノート城塞を訪ねた(写真下)。
"アルブレヒト・デューラーの論文に基づき、円形城の形態をとった唯一の建物"との解説を読み、びっくり。中世ドイツを代表する芸術家デューラーは、ダ・ヴィンチと同じようにマルチ人間であったらしい。


ムノートへの登り口

ムノートへの石段(210段?)

塔の中の螺旋階段

監視用塔

城塞の中の広場

使われなかった大砲

砦として作られたものだが、攻撃の標的に選ばれることもなく今日まで保存されているらしい。息切れする程の長い階段だった。それだけに屋上からの眺めは素晴らしいものであった(写真下)。


ムノートからの展望

歴史ある出窓

 旧市街のメイン通りに軒を連ねる建物は、17・18世紀に作られたものらしい。特徴の一つである出窓には、その西暦年数が刻まれていた(写真上)。
それら古い建物の中で最も有名なものが "騎士の家" 。正面壁面は、時代を彷彿させるフレスコ画による人物で埋め尽くされていた(写真下)。作られたのは1570年代だと言う。それから今日迄の440年を生き続けて、今でも一階部分は薬屋として生きているのは驚きである。ロマンが感じられてなかなか良かった。


騎士の家

◆誕生日

 今日は、僕の誕生日である。 外国で迎えるのは、初めてのことではない。パキスタン奥地の秘境の一人テントの中で迎えたこともあるが、今回は此処シャフハウゼンの街で迎えることになった。初めて訪れた歴史ある街の、街はずれに建つ趣あるホテルの食堂で、家内と二人で静かに祝うこととなった。
 今日の夜は特別だから、赤のグラスワインをオーダーした。家内のオレンジジュースの黄色いグラスと乾杯! 74回目の誕生日、おめでとう!

 正装したホテルのオーナーが、火の灯ったローソクの立つ皿をもって現れた。"Happy Birthday !" 思い掛けない祝福に驚ろかされた。ローソクの立つお皿の中から曲が流れ出ていた。
    ♪ Happy Birthday To You・・♪
    ♪ Happy Birthday To You・・♪
    ♪・・・・・・・・・・・・・・


窓際の指定席

スペシャルデザート

 それは小さなメロディだが、波紋のように優しく囁き乍ら部屋全体に広がっていった。何と、ローソクがオルゴールだったらしい。同室の人たちがみんな笑顔を向けてきて、僕ら二人を祝ってくれた。ありがとうの気持ちを込めて笑顔で応えた。


ライン


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