2008カナダへの旅

◆2日目(7月13日)快晴

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◆狂った体内時計

 昨夜は一向に眠くなれず困った。それでも4時間位は睡眠を取れたらしい。6時前に眼が覚めた。カーテンを少し開けてみたら明るくなっていたが、街は未だ眠りから覚めてはいなかった。そっとベランダに出て、次第に明け行く街の表情をカメラに収めておく(写真下)。
 家内が目覚めるまで、読書をしながら4時間待った。1冊読み終えてしまったし、放っておくとまだまだ起きそうもないので揺り起こす。夜中、眠れないので睡眠薬を飲んだのだと云う。お互い、狂ってしまった体内時計の修正に悩まされる。


ベランダからの眺め(夜明け)

ベランダからの眺め(朝日を受けて輝く)

<↓画像をクリックすると別ウィンドウでパノラマ画像が開きます>

ベランダからの180度のパノラマ

ベランダに飛んで来たカモメが餌をねだる

◆スタンレー公園


正面突き当たりがスタンレー公園の入口、その手前のベンチで遅い朝食を摂った。

 今日は、快晴である。午後2時までの時間を、室内でゴロゴロしているのは勿体ない。近くにある広大なスタンレー公園には、魅力ある施設がそろっているらしい。行ってみることにして、チェックアウトした。ロブソン通りを少し行き、セブンイレブンでサンドイッチとジュースを買う。それから10分位歩いたであろうか、公園近くの広い通りでベンチを見つけた。通りに面して建つビルはアパート、マンション群。見上げると、小さなベランダで日光浴をし乍ら読書をしている上半身裸の男が居た。静かな住宅街である。人通りも少なく、僕らも爽やかな陽の光りを浴び乍ら、遅い朝食を摂った(写真左)。


何度も乗り降りしたレトロな感じのシャトルバス

 日比谷公園の25倍はあるといわれる広大な公園は、市民の憩いの場所として親しまれているようだ。公園内には乗り降り自由な無料のシャトルバスが循環していたので、利用させてもらった(写真右)。

海岸に面して整備された車道やサイクリング道路にはビューポイントも多く(写真下)、家族連れや健康的な若者たちの姿で賑わっていた。サイクリングやジョギングを楽しむ人たちが大勢いたし、広場では複数のクリケットの試合も行われていた。

ヨットハーバー

バンクーバーのビル群を望む静かな湾内

ウエストバンクーバーに繋がるライオンズゲートブリッジを背にして

首だけ黒いカナダガン

砂浜に憩うカナダガン

湖畔を行く遊覧馬車

トーテムポール

 深い森の中の道を辿ると、トーテムポールの広場があった(写真下、右)。先刻から急にお腹の調子がおかしくなっており落ち着かなかったが、此処には奇麗なトイレが在ったので助かった。

 


トーテムポール

 


原生林の中の水族館への道を進む

 地図を眺め、通りすがりの何人かの人に尋ね乍ら、再度原生林を抜けたら(写真左)、森に囲まれて建つ大きな水族館が現れた。入り口前には、美しい花が植え込まれていた(写真下)。そこにはアクロバットを演じている変なおじさんもいて賑わっていた。入館希望者が列を作っていたので僕らも並び、シニア料金を払って中に入った。

 

 


水族館玄関前に咲いていた花

 

◆体調不良

 ところが、5分も経たない内に気分が悪くなった。上半身に脱力感があり、立っているのも辛く感じられる。睡眠不足の所為だろうか? 下痢していることが重なっての症状なのかな? 脈を計ってみたり熱を確かめてみたりしたが、格別の異常は認められない。原因が分からないので落ち着かないが、いずれにせよ、見学する気力がなくなったので、一人ベンチで休息をとることにした。やむなく、家内は一人だけで見学して回った。

水槽の中の魚たち

 30分程休息していたら、少し元気を回復出来た。折角だから、大小の水槽に泳ぐ魚たちを見て回る(写真上、下)。


巨大水槽の中を悠々と泳ぐカグラサメ?

水槽の中から外の様子をみる魚
地階には両棲類も沢山集めてあり、中でも2センチ足らずの小さなカエルには驚かされた(写真下)。屋外の池では、イルカのショウが行われていた。

体長1センチ位の超小さいカエル

◆タクシー!


VIA中央駅

 気分が優れず元気が出ない。水族館前にタクシーを呼び、一旦ホテルへ帰る。1時間ほど休憩。預けておいた荷物を受け取り、再びタクシーを使って、VIA駅へ向った。10分程で、16時20分、中央駅に到着出来た(写真右)。

 

◆VIA鉄道(カナダ大陸横断鉄道)

 今回の旅の大きな楽しみが、この列車に乗ることであった。長年、一度は乗ってみたいと思っていた憧れの列車である。その夢が今日、ようやく実現出来ることになった。バンクーバーからトロントまでの凡そ4500kmを70時間かけて走る列車の旅だが、僕らは途中のジャスパーまで、およそ17時間の旅を楽しむことにしている。


ホームにスタンバイしていたVIA車両

待合室で会った日本人夫妻と談笑

演奏しながら歌うミュージシャン

列車を眺めながら寛いで乗車を待つ

 16時30分、チェックインを済ませて荷物を預けた。同時に、ディナータイムは19時にしたいと予約を済ませておく。待合室には、クッキー、コーヒー、ティーなどが用意されていた。セルフサービスだが、これも料金の内。少しだけリッチな気分を味わう。同じ年配の日本人カップルと出会ったので、ひとしきり旅の情報を交換する。18時の出発時間まで、ゆっくりと時間が進む。年配のおじさんが一人で楽器を演奏しながら歌を歌ったりして、出発を待つ乗客へのサービスに努めていた(写真上)。これ又。VIAの旅ならではの光景であった。


いよいよ乗車

 17時30分、乗車(写真上)。座席は、Berth。個室ではないが、夜間は厚手のカーテンで通路と仕切られる上下寝台であり、昼間はゆったりとしたシートでリラックス出来そうである「イラスト参照」。しかも、個室にくらべてリーズナブルな料金であり、更に僕らにはシニア料金の恩恵があり、ほぼ一人分の料金で利用することが出来たのは幸いであった。ちなみに。二人で728.70カナダドル(シニアコンパニオン料金)であった。

 連結されているDome Carには、シャンペンも用意されているという。「見て来るよ」元気な家内はじっとして居られない。列車はゆっくりしたスピードで走る。急ぐ旅ではないから、望むところだ。窓外には緑の大地が流れて行く。一人、飽かずに眺めた。ゆっくり流れる時間を満足に思いながら楽しんだ。レールから伝わって来る規則正しい振動が心地良い。「シャンペンとオレンジジュースも飲んできたよ」家内の声に驚く。いつの間にか眠ってしまっていたらしい。

 交代して、展望車に行ってみた(写真下)。ドーム型になっていて360度の展望が出来る。最前席に行ってみたら、列車の屋根が見渡せた。5両ごとに展望車が連結されていることが分かり、その長さにも驚かされた(写真下)。察するに15両編成で走っているらしい。


沿線の眺め

展望車

展望車から前方を望む
 右前方に氷河に包まれた美しい秀峰が現れた。Mt.Baker(3285m)である。夏スキーも楽しめる富士山形の名山である(写真下)。

進行方向右側に1年中白い名山:Mt.Bakerが見えた
Flazer河をゆっくりした速度で渡りきったあたりで、ちょうど予約したデイナータイムになった(写真下)。

鉄橋を渡る

川面に映る鉄橋と列車の影

トマトスープと蒸しパン

 食堂車に移動。専任シェフが乗務して一流レストラン並みの上質な食事サービスをすると聞いている。バンクーバーから来たという年配のご夫婦と同席。用意されていた日本語メニューを手に、期待を込めてトマト味スープとビーフステーキにグラスワインをオーダーした(写真左、下)。流れる風景を眺めながら、相席になったご夫婦とも会話しながら、まずまずのデイナーを楽しんだ。ご夫婦が席を立つ際、5ドルのチップを置いていかれたので、僕らもそれにならう。カナダはチップの国だから、それなりの気遣いをしなくてはならないが、不慣れな習慣にいささか気が重くなる。


メインのアルバータ牛ステーキにはローズマリーが添えてあった。

 指定席に帰ってきたら、上下2段式のベッドルームに作り変えられていた(イラスト参照)。上段の天井までの空間は、座ったままの姿勢で一杯だが、しっかりプライベートな空間が確保されていて足を伸ばしてゆっくり寝ることが出来た。しばらく、本を読んで睡魔の訪れを待った。 9時が過ぎて、ようやく暗くなってきた。

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