2007アルプスへの旅
◆5日目(8月18日)曇り 目次へ
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HOTEL TAUERNHOF

 7:30〜朝食。野菜を練り込んだパンを美味しく頂く(写真下)。

 天気予報は曇りだが、時々薄日が射す。標高の高いアルプス高山道路に行けば、雲の上に出られるのではないか?そんな期待を込めてホテルを後にした(写真左)。

 


朝食

 

◆アルプス高山道路


残雪の斜面に咲いていた花

 山岳道路への入口:Bruck を確かめる為、途中で大きなパーキングに車を停め、買物をして店から出て来たfamily のお父さんに尋ねた。彼は自分の車のナビを操作しながら、丁寧に教えてくれた。お蔭で、無事Bruckから山岳道路に入ることができた。
 この道路からの山岳風景を取材することが、今回の旅の主な目的である。腰を据えて取り組むつもりでいる。だから、料金所では15日券を購入した。ちなみに、1日券は28ユーロ。2日目は、プラス4ユーロ。15日券は35ユーロであった。

 「特に慎重な運転を要す!」 事前に得た厳しい情報が頭をよぎる。気持を引き締めて霧で視界が悪くなっている道を走りだした。後を走っていた自動2輪車が、次々と追い越して行く。センターラインを視野の左に確認しながら、ギヤをセコンドに落として走る。ガードレールは無いが、道はしっかり整備されていた。ドライバーたちのマナーも申し分ない。案ずるより何とやら、すっかり肩の力も抜けて、快調に走行。ヘヤピンカーブも余裕でこなしながら次第に高度を上げた。
 雲上に連なる巨大な山塊が、うっすらではあるが見えはじめ、時々雲間の小さな窓から青い空が見えた(写真下) 。その分、心の窓も明るく開けた。


すっきりしないアルプスの眺め

山岳博物館
 駐車スペースを見つけると、その都度車を停めカメラを抱えて外に出た(写真上)。そのスペースはビューポイントでもあったからだ。しかし、山稜に取り付いた雲は離れようとしないし、陽が射したのも束の間の出来事であった。

この山域に棲息するマーモットと記念撮影

 道の最高地点であるホッホトールの駐車場で昼食。雲が薄く切れ飛ぶことを期待して待ったが、時折マーモットの鳴き声が聞こえるのみで、景色は何も見えない。しばらく待ってみたが、幾重にも重なった厚い雲の絨毯が消え去る事はないように思われた。諦めてスタート(写真右)。

 

◆山岳ホテル

 しばらく走ると、道沿いの丘にヴァラックハウスというホテルがあった。Zimmer Frei になっていたので停車。今は雲に隠されて見えないが、このホテルから見えるであろう周囲の景観は、どんなものであろう? 良さそうであれば、此処に泊ることにしたい。ともかく資料としてホテル案内だけでももらっておこうとフロントを訪ねた。案内パンフには、周辺の景観が紹介されている場合が多いと思ったからである。しかし、そんなものは無いと言う。言葉の壁もあって、要領を得ない。決めかねてホテルを後にした。

◆ハイリゲンブルートへ

 さて、山岳道路からの景観は、天気予報の情報から推測しても期待できそうにないし、視界の悪い山岳道路で午後の時間を無為に過ごすのも勿体ない。そうだ、後日訪ねる予定にしているハイリゲンブルートに行ってみようではないか。美しい景観との出会いがあるかもしれない。素敵なホテルと出会えるかもしれない。期待を込めてスタートした。
 フランツ・ヨーゼフス・ヘーエ(此処も後日必ず訪ねる予定である)との分岐点を過ぎておよそ8キロ下った地点で、幾度も案内書で見たことのある教会の立つ村を展望することが出来た(写真下)。初めて見る景色なのに、懐かしい思いがした。長い間、一度は訪ねてみたい場所だと憬れていた所為であろう。

教会とハイリゲンブルート

Landhotel Post前にある水晶の泉で

 有料駐車場に車を入れて、村の中心へ。そこは、大勢の観光客で賑わっていた。センター広場に面して宿泊予定候補にしていたLandhotel Post を見つけた(写真右)。大きな構えであり、沢山の花に飾られ華やかである。しかし、いかにも観光ホテル。落ち着けない気がしてパスすることにした。明日の天気は、午前中良しの予報であった。山岳風景は、午前中が勝負であるから、やはり先刻の山岳ホテルに泊ることにしよう、と相談。幸い、今回は携帯電話を持参しているではないか。早速連絡を入れ、今夜の宿を確保した。 

 

◆教会をスケッチ


15世紀のものという礼拝堂の祭壇

 折角だから、教会の中も訪ねてみた。15世紀のものという祭壇は見事なものであった(写真左)。狭い敷地の中を、ガイドの説明を聞き乍ら団体客が移動して行く。墓地は美しい花に飾られていたが(写真下)、其処に眠る人たちは、さぞかし迷惑な思いをしていることであろう。教会を離れて小道を下り、山の斜面に腰を下ろして急ぎスケッチに取り組んだ。天気が良ければ、背後にグロースグロッグナーの白い山並みが見えるはずである(写真下)。その場合は、もう少し距離を置いて構図すれば、きっと魅力的な絵になるだろう・・・先刻、車から見下ろした景観とだぶらせ乍ら、取りあえず1枚急いで描き上げた。


花が咲く美しい教会墓地

村の中心から眺めた教会

◆1分のタイムオーバー!

 駐車料金は、1時間刻みである。ぎりぎり計算し乍ら、駐車場への道を急いだ。ところが、途中、道を間違えていることに気がついた。貴重な時間をロスしてしまったが、何とか間に合うだろう。重い足を引きずり、精一杯急いで坂道を上がった。息が切れた。時計を見たら、危うくセーフである。ヤレヤレ・・・ところが料金所に係の人が居ないではないか。それでも、直ぐに現れた男性職員が応対してくれた。カードを自動精算機に挿入してくれ、と言う。急いで入れた。示された請求金額を見ると、1時間分多い金額になっていた。納得いかないので抗議した。
 男性職員は、精算機からカードを取り出し確認してくれた。「機械は間違っていない。1分でも超過すれば、1時間分の料金を請求することになるんだよ。」両手を上げて、「私にはどうしてあげることも出来ない!」 人の良さそうな笑顔で繰り返す職員に、それ以上抗議することは出来なかった。道を間違えなかったら・・・職員が事務所に待機していてくれたなら・・・今更、愚痴っても仕方がない。不運と諦め笑顔で了承した。

◆団子料理


だんご料理

 Wallackhausに引き返す。5時、チェックイン。3ッ★だけの事はあって、設備はまずまず。夕食の前にシャワーを済ませた。

 7時〜、夕食。食堂に行くと、既に食事を始めている人たちが居た。どんな料理が出て来るのか、楽しみである。隣り合って座っている二組のカップルのテーブルをみると、巨大なスープの壷?があった。何だろう??・・・

 間もなく、我々のテーブルにもサラダと共に同じ壷が運ばれてきた。わくわくし乍ら覗いて見る。中には、スープに浸かった直径6センチ程のだんごが6個(写真右)。スープ皿に、1個だけ取り出し味をみる。小麦粉に肉、ニンニク、野菜を練り込んで丸めたもの。この地方の代表的な郷土料理なのに違いない。スープは少し塩辛いが不味くはない。一人3個の割当だが多分次の料理がメインだろうと思われ、2個だけにして次の料理を待った(家内は1個)。


Kaiser Schomarren

 運ばれて来たのは、やはり小麦粉を厚く焼いて乱切りにしたものが大皿に盛られ、その上に粉砂糖が振りかけられていた。そして、リンゴのペーストも添えられていた(写真左)。つまり、団子がメインで、これがデザートだった訳だ。食べ切れずに沢山残してしまったが、ディナーは以上で終り。料理の名前をおかみに尋ね紙に書いてもらった。
<Kaiser Schmarren> オーストリアのスペシャルだそうだ。

◆明日は晴れ!

 10時、西の空が赤く染まった。東に聳える山々も姿を見せた(写真下)。明日は晴れるに違いない。この山岳ホテルに泊ったのは、正解だったようだ。

夕焼け雲

東の空も開け山が姿を現した

ライン


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