★2005・スイス(イタリア・ドイツ)の旅
◆3日目(7月15日)曇り時々晴れ
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特別メニュー
朝食のテーブルに、“Mr Iwakiri"と記名されたディナー用特別メニューが置いてあった
【写真左】
。 ボーイがやって来て、料理内容を説明してくれた。「今夜は特別に作るから」、とニッコリ。期待しよう。
◆デイトの約束
今日は、快晴とは言えないが、歩くのには好都合かもしれない。 先年、途中で断念したセガンティーニ小屋を訪ねてみることにした。
出掛ける前になって、突然、スイスに住む友人の圭子さんから電話があった。 フリムスから2時間以上かけて会いに来てくれる。思いもかけなかった嬉しい再会である。 5時に、ポントレジーナ駅で待ち合わせる約束をした。
◆ムオッタス・ムラーユへ
昼食用にアルファ米を準備して、出発。ロンドからバスでプントムラーユへ
【写真下・左】
。 そこからケ-ブルカーに乗り換えてムオッタス・ムラーユ(2448)へ。車両の一番前に陣取り、カメラを構えた。 見れば一本のワイヤーで引き上げられ乍ら登る仕組みの電車であった
【写真右】
。 山麓と山頂の車両が一本のワイヤーで結ばれており、同時にスタートして中間地点ですれ違う。 さして太くもないワイヤー、何かの弾みで切断することになれば、一巻の終りだな、と思う。 動き出したワイヤーの上を、リスが横切って行った。急な勾配をゆっくり登り、凡そ15分で頂上駅に到着した
【写真下・右】
。
車両は右側のワイヤーで引き上げられている。
プントムラーユ駅
もうすぐ頂上駅
◆花・花・花・・・の道
しばし展望台からの眺めを楽しんだが、今日は生憎雲が多く、シルヴァプラーナからマローヤ峠方面へと連なる4つの湖、 左前方に見えるベルニナの山並みも、すっきりした景観としては望めず残念であった
【写真右】
。 先年、歩いたことのある道、懐かしい思いで歩き始めた
【写真右下】
。
マローヤ峠方面を望む
元気よくスタート
昨日もそうであったが、花・花・花・・・美しく咲く小さな花に見とれて、 ついつい立ち止まってはカメラを構えるのでなかなか道が捗らない。 次々と家族づれなどに追い越されながら、結果的には超スローテンポのトレッキングになってしまった
【写真下】
。
山上に咲いていた可憐な花たち
橋を渡って分岐点へ
途中、牛の放牧を眺めたりし乍ら、だらだらと長い下り坂を行くと小さな谷川があり橋を渡った
【写真左】
。 前回、アルプラングアルドへの道を辿った時、セガンティーニ小屋の在るシャーフベルグ山を仰ぎ断念した小屋への道の分岐点がここである。 今回は、頑張って登ろうと決意を確かめ合った。時刻は11時。余裕で登れると思った。
◆セガンティーニ小屋を目指して
道標には、1時間15分と示されていたが、その倍は見ておかなくてはなるまい。 2時間半とすれば、午後1時半には辿り着けるであろう。約束の5時までに、駅へ着くのには充分だろうと考えた。 歩幅を小さく取るよう指示し、ゆっくり登り始めた。途中、小さな石をうまく積んだケルンを見つけ、 「おかめ」を座らせ記念撮影をした。 登って来た道とグラウビュンデン州の山並を展望することが出来た
【写真下・2点】
。
シャーフベルグ山の谷間に向って長い下り
「おかめ」と登って来た道を振り返る
険しくなった道を諦めないで登る
小休止を繰り返しながら、ともかく登りきることが出来てヤレヤレであった
【写真右上】【写真下・2点】
。
後方にムオタスムラーユ駅が見えた
石段を一歩一歩踏みしめて
急いで昼食を済ませ、小屋のベンチで一息ついた
【写真右】
。 セガンティーニは、この小屋で息を引きとった。1899年9月28日、死因は急性腹膜炎といわれている。 まだ41歳の若さであった。小屋の外観は当時のままだそうだが、内部はカフェレストランになっていた。 お茶でも飲んでゆっくりしたかったが、圭子さんとの約束を破ることは出来ない。 1時半、展望もそこそこに下山を開始した。
家内曰く。 「やはり登りがきつくて、途中、ひきかえしてしまってもいいか・・・と何度も思ったが、セガンティーニも、この道を登ったのだ、 と思うことで頑張れた。カフェレストランになっていた小屋で、ゆっくりセガンティーニを偲ぶことができなかったのは残念無念・・・。」
セガンティーニはこの小屋で他界した
◆同じ道
下りは、思いのほか早く分岐点まで辿り着いた。しかし、此処から、再び長い登りの道が続く。 うんざりした表情の家内を見ていて思った。前回辿ったアルプラングアルドへの道にした方が楽だし、 ポントレジーナの駅に早く行き着けるだろうな・・・。 しかし、プントムラーユの駅で往復切符を買って来たことを思い出し、黙って同じ道を辿ることにした。 3時半、余裕の時間を残してムオッタス・ムラーユの駅に帰り着けた
【写真右】
。 改めて「おかめ」と記念撮影、レストランでビールをオーダーした。 ともあれ無事に、念願を果たすことが出来たことに乾杯!
オムッタス・ムラーユ駅に無事帰着
◆泣きっ面に雨
16:29のバスは時間通りにやってきた。 ところが、下車するところを間違えてしまい、駅までのかなりの距離を歩くハメになってしまった。 おまけに、急に雨が降り出した。泣きっ面に雨である。本格的な降りになったので、雨具を着た。 夕立のような雨の中をひたすら歩き、駅に急いだ。何とか、約束の10分前に到着出来てヤレヤレである。 雨は上がり,暑い日が射してきた。
◆つかの間の再会
再会を約束してお別れ
彼女は予定より早く到着したので、我々のホテルまで行ってきたのだと言う。うれしい再会であった。 駅近くに適当な店が見当たらず、駅前に建つユースホステルの庭のパラソルの下で約1時間、積もる話に時間は瞬く間に過ぎ去った。 夕食を一緒にしたいと思っていたのだが、どうしてもゆっくり出来ない事情があるという。やむを得ない。 再会を約束して見送った
【写真左】
。
◆期待外れのディナー
7時半からディナー。期待が大き過ぎたのだろうか。 出されたスープは塩味が強く、トマトとやぎのチーズを重ねたサラダは今いち素っ気なく、メインの魚料理も平凡であり過ぎた。 糖尿病の為の特別料理であっても、味付けにもっと工夫があってよいのではないか・・・、これではシェフの資格がないと思う。 いささかガッカリである。やって来た美人おかみに、不満を表明。おかみもガッカリした表情で引き上げて行った。
夕食を済ませて、マロヤ・クルムの宿泊予約をする為、公衆電話のある郵便局まで出掛けた。18日、1泊の予約が取れた。 懐かしいキルヒナーとの再会が楽しみである。
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