バスから降りると、冷たい空気が心地良かった。此処が峠の最高地点:グラン・サン・ベルナール峠(2469m)である。此処なんだぁ・・・と改めて周囲を眺めた。
この峠道は、11世紀末:ローマに赴く巡礼に利用された歴史があり、悪天候に遭難する者があとをたたなかったと言われている。そして1800年には、ナポレオンが4万人の軍隊と3000頭の馬を引き連れて苦難の峠越えを果たし、闘いに勝利したという歴史ある峠として有名である。
元ホスピスの裏手の丘からイタリア側を見下ろすと、眼下に美しい湖と、対岸に僧院が見えた。その背後には雪を乗せた鋭い岩山が在り、堂々たる風格を感じさせる景観である。早速、写生に取りかかった。湖を背にして、更にもう1枚描かせてもらった。
グラン・サン・ベルナール峠 |
足下に咲いていた花 |
その間、博物館を訪ねて来たと言う家内が帰ってきた。興味深い展示や解説を丁寧に見学してきたらしい。日当たりと展望の良い丘に腰をおろし、彼女の話を聞き乍ら、持参のチキンサンド、チーズ、バナナ、ティで昼食にした。足下や周囲を眺めてみると、美しい高山植物がまだ咲いていた。
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