テレキャビンでコル・デ・バルムへ上がった.此処からバルムの小屋までは、平坦な道を15分位。広がる展望を楽しみ乍ら歩いた。
峠に近づくにつれ風が強まった。其処はフランスとの国境であり、フランス側の谷から吹き上がる冷たい風に晒されて、バルム小屋と小さいがどっしりした石の標識が立っていた。
国境に建つバルム小屋 |
此処から南側がフランス |
此処から北側がスイス |
バルム小屋の横にある小高い丘から展望を楽しんだが、何しろ風が強い。風当たりの弱い斜面を探した。日当たりも良い窪地を見つけて腰を下ろし、持参のパンとジュース、バナナやチーズで昼食にした。
腹ごしらえが出来たところで、バルム小屋を描かせてもらうことにした。見つけたポイントは、日当たりはよいのだが、強い北風が容赦なく体温を奪っていく。防寒ヤッケを被り、画用紙が飛ばされないよう注意しなければならなかった。その上、斜面での無理な姿勢を強いられ草臥れた。
シャラミヨンで、再度ベンチに座って一息入れた。時計は2時を回っていた。午後の日差しの中、モンブランには雲がかかり、ぼんやりとした姿に変貌していた。眼前に聳える赤い針峰群を描かせてもらったが、雲が増え風も強まり、此処に留まっていても、もはや美しい景観は期待出来そうにないと思われ、腰を上げた。
赤い針峰群 |
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