ウエストミンスター寺院 |
朝食を済ませて,ホテルを後にした。最初に出逢ったのが、ウエストミンスター寺院である。未だ時間が早いようで、観光客が開門を待っていた。今日は、のんびり出来る時間がない。外観を眺め、売店で案内の写真集を買うことでスキップ。
ビッグ・ベンと議会の建物を眺めるには対岸からでないと・・・と家内。ウエストミンスター橋を渡っていたら、トーマス病院の建物が近くに見えた。記念に1枚カメラに収めた。バスでこの病院の前を通った時、添乗員がイギリスの医療について、「原則的に無料」だという話をしたのを思い出したからである。「旅行者であっても、救急外来受付を通ると無料扱いにしてくれるから安心です。このトーマス病院は、その国営病院で〜す。」と、ガイド。
トーマス病院 |
イギリスの福祉政策は「ゆりかごから墓場まで」ということを聞いたことがあるが、本当だったんだ!さすが、福祉国家・・・と、少なからず感動したのである。だから、羨望の気持ちもあって撮影したのであるが、帰国していろいろ調べてみると、現実はそんな甘いものではないらしいことが分かってきた。現地レポートを読むと、極めて評判が悪いというのである。
鉄の女と言われたサッチャー首相の時代、『大砲かバターか』の選択を迫られた首相は大砲を選び、その結果、福祉予算は縮小され、医療現場にしわ寄せがきているというのだ。つまり、次第に質が低下し、現実的には治療を受けるまでの待ち時間が異常に長くて緊急の役には立っていないのだという。代わりに、質の高いプライベートの病院が台頭、有料だから一部の裕福な人たちにだけ役立っているらしい。現在ブレア首相自らが国営医療の改革に取り組んでいるというから、相当深刻な問題になっているのだろう。添乗員の話はウソではなかったが、少し昔の良き時代の話だったようだ。 |