ジョサイア・ウェッジウッドの銅像 |
ストラットフォード・アポン・エイボンへ向う途中、ストークオン・トレントに在るウェッジウッド陶磁器センターに寄り、工場の中を見学した。「英国陶工の父」といわれているジョサイア・ウェッジウッドによって創設された会社である。センター入り口に彼の銅像が立っていた。
受付で貸してもらった日本語によるオーディオガイドを聞き乍ら、会社の概略や製品の特質をおおまかに理解した。創始者であるジョサイア・ウェッジウッドは、1万回にも及ぶトライアルの末、新しい陶磁器となるジャスパーウエアー(石英の一種)を完成させた。その作品は高く評価され、英国王室をはじめロシアの女帝エカテリーナ2世など欧州各国から注文が殺到し、瞬く間に世界中に広まり、後世、陶工の父と称されるようになったそうだ。
そのジャスパーを使った製品作りの現場を見学した。広い工場の中は、見学者の為に床に青い線が引かれており、その線に沿って回れば一通り見学出来るようになっていた。製品化される過程を見ることによって、理解を深めることが出来たように思う。
「ポートランドの壷」 |
その一つとして、ブローチで有名な「カメオ」も、このジャスパーを使って作られていることを知ったし、その想像を絶する繊細な仕事には、目を見張ってしまった。ちなみに、ウェッジウッドは、古代ローマのカメオ・グラスの傑作「ポートランドの壷」を、ジャスパーで再現することに成功、今では屈指の名作として知られている。
職人アーティスト
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人形の最後の仕上げをしている職人の話を聞くことが出来た。彼は、1ミリもない程の細い筆を使って、人形の頭髪を仕上げているところであった。うなじの生え際は薄く描き、その上から更に濃い色を1本1本重ねて描き込むんだ、と語りながら、その部分を見せてくれた。「1日かかって仕上げられるのは二人だけだよ」と言い乍ら休まず筆を動かす彼の風貌には、職人と言うより芸術家としての誇りが滲み出ているように見受けられた。
ショールームには、価格のつけられた様々な製品が並べられていた。美しく仕上げられた人形もたくさん展示されていた。どの製品の金額を見ても、気安く購入出来る数字ではなかった。そこには、高級ブランド製品であることの誇りと自信が示されているように思えた。
磁器製人形 |
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