★ 2003 ニュージーランドの旅
◆8日目(1月22日) 晴 前の日へ
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【本日の旅程】=ワナカ→Mt.Roy 登山

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◆Mt.Royを目指す

 朝のうちは、安定しない空模様だったので、洗濯したり昼の弁当を作ったりしてしばらく様子を見ていた。
 10時、青空が次第に拡がりを見せ始めたので大丈夫と判断、今日はMt.Royに行ってみることにした。
 湖畔に沿って左の道を行く。右手に展開する湖の景観はなかなか魅力的である。途中、車を路肩に寄せて、何枚かカメラに収めた【写真右】
 しばらく走ると路肩の駐車場があり、何台か車が停まっていることで、此所がMt.Royの登山口であることがわかった。山全体が個人の牧場らしく、飼われている動物が外に出ないよう、登山口も柵で囲われていた。柵は、木製の階段で乗り越えられるようにしてあり、登山道入口には張り紙があった。「トレールの維持管理の為、一人2ドルの寄付をお願いしたい」と書かれてあり、横に小さな箱が置いてあった。

 


◆湖畔の風景◆

◆Mt.Roy登山


羊たち

 とにかくどの程度のトレールなのか下見をしてみようと思い、カメラだけを手にして登ってみた。牧場に作られた道だけあって、歩き易い。羊が放牧されていた【写真左・上】。展望もなかなかである。これなら、家内だって登れるだろうと判断して、2人で行ける所まで登ってみることにした。
 極力荷物を減らし、つづら折りの山道をゆっくり登り始めた。緑の絨毯を敷きつめたような牧草の上を歩くのは、爽快である。傾斜はさほどではないのだが、やはり息も上がって足腰には厳しいものがある。後から登ってくる人たちもおり、あっさり道を譲ってのんびりしたペースで登り続けた【写真左・下】
30分位歩いただろうか、見上げる山頂には旗らしいものがあったが、まだまだ前途遼遠である。少しずつ体も慣れ、苦痛も軽くなって行く。道の歩き易さにも助けられて、登行を続けた。すっかり空も晴れて、暑さに汗が流れた。

◆湖を眺めながら登る◆

◆登山と展望を楽しむ

 登るにつれて、ワナカ湖と湖を取り巻く景観がより魅力的な眺めとなった【写真右・上】。ピークを極めたかどうかは不明だが、山を下って来る人たちと、何回かHi!と挨拶を交わしてすれちがった。登る斜面の方角が変わってきたからであろうか、次第に風当たりが強くなり、時には吹き飛ばされそうになった。
 我々を追いこして行ったグループの姿がずっと上の方に小さく見えていたが、しばらく休んだ後引き返し始めた。一人で登っていた青年もやはり、ピークに行くのはやめて下り始めた。強風の為か、もう充分展望は楽しんだから、ということであろうか。
 ピークはまだまだ上のほうだが、見当としては7合目あたりまで登ってきたように思われた。草地がなくなる境界地点に、この山を愛し、この場所からの展望を好んだ父と娘の記念碑が建ててあった【写真右・下】。僕らの登山も、此所までで終了することにして、ゆっくり展望を楽しみながら、持参したサンドウイッチでお昼にした。強い風はなかなか収まらないので少し迷ったが、バラの原種と思われるピンクの花をつけた木々が防風林となっている場所を見つけて、湖を展望する景観の写生に取り組んだ。持参したファーバーカステルを初めて使った。


ワナカ湖を俯瞰する

◆記念碑からの展望◆

◆兎の転落死亡事件

 下山を始めたのは3時頃。強風に向かって歩くのも結構消耗するものである。下り始めて間もなくの頃であった。急な斜面を一羽の兎が転げ落ちてきた。一旦、目の前の草むらに隠れてしまったので、大事には至らなかったかな、と思った直後、兎は再度回転して道の上に落ちてきた。仰向けの姿勢なので、気を失ったのだろうと思った。直ぐ目の前の出来事である。一歩近づいたら、兎はなんとか腹ばいの姿勢になり、必死に起き上がろうとするように見えた。後足を蹴り逃れようとしたのだろうが、結果的には僕の足元に横たわることになってしまい、力尽きたのであろう、もはや動こうとはしなかった。不憫になり、思わず兎の体を撫でてやった。瞬間、思いがけない程の高い体温に吃驚した。「しっかりしろ!」と声を掛けてみたが、その途端、兎は鼻から血を吹き、事切れてしまった【写真右】。僕の足に寄り掛かる姿勢で力尽きたので、ズボンには兎の流した血がべったり付いてしまった。しかし、丸い目を開いたまま命の灯が消えてしまった兎を見ていると、哀れであった。何が原因だったのだろうか、猛獣も猛禽も毒蛇もいないNZの牧場で、一体何故???謎である。
 遥か目の下に駐車してきたカローラが見え始め、それから1時間かけて麓に下りた。下るにつれ風は弱まり、強風に悩まされたのがウソのようであった。無事下山を果たし楽しませてもらったので、寄付金入れの箱にコインを入れた。

 


可哀相な兎

◆グレンディーベイ

 時間はまだ5時前である。もう一走りすることにして、此所から数キロの地点にあるグレンディーベイを訪ねることにした。うまくすれば、この地方最高の山であるアスパイアリング山(3027)とその連峰が見えるかもしれないと思ったからである。残念ながら、白くガスに包まれて見ることは出来なかった。グレンディーベイには、大きなモーターキャンプ場が作られてあり、多数のキャンピングカーやテントがあって驚いた【写真下・左】。湖畔にはボートが陸揚げされていた【写真下・右】。やはり今は夏の盛りなんだ、と実感する。キャンプ内の売店でミネラルウオーターを買い、乾いた喉を潤した。
 町中に戻り、New Worldで買物。久しぶりの山歩きにいささか疲れた。買って来たハイネッケンビールを飲んで、今日はお終いである。


◆モーターキャンプ場◆

◆グレンディーベイ◆

 



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