★梅里雪山、濾沽湖と世界遺産の古都・麗江
◆2日目(3月26日)晴れ 目次へ
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 5:45、モ-ニングコール。6:00、朝食。7:10。昆明空港へ向けてホテル出発。
 8:35、定刻通り離陸。124人乗り、MU5873便。9:15,麗江空港に到着【写真右】
麗江空港
◆麗江
 麗江は、昆明から北に600キロ、雲南省の西北部に在り、万年雪を頂いた[玉龍雪山]が観光の目玉。 この山を近くに眺めることが、今回の旅の大きな目的の一つである。
 この街には、納西(ナシ)族を中心に漢族、ペー族、イ族などの民族が暮らしており、総人口,凡そ30万。 古くから歴代王朝の地方機関が置かれ、南方シルクロードや茶馬古道の要衡地として栄えた街と言う。 今回は、世界遺産に登録されている旧市街の「四方街」観光が楽しみの一つである。

 空港に迎えにきてくれた小型バス(27人乗り)に乗り込む【写真右】。 元気そうなドライバーと現地ガイドの周さんが紹介された。 今日からは、この二人と共にこの車で移動する。少人数だから、座席もゆったり使えて満足である。

 10:15。ホテル・麗江格蘭大酒店にチェックイン。それは、世界遺産の麗江古城入口正面に在った。 とりあえず荷物を処理し、ロビーに再集合。此処で、更にもう一人の現地ガイドの許さんが紹介された。 日本語も上手で、麗江に関するガイドだけをしてくれる。一方、周さんは、全行程に添乗して世話してくれるガイドである。 身支度を整えるとすぐに観光に出発した。
ツアーバスに乗り込む
◆「玉泉公園」(黒龍潭)散策
 11:00〜。1737年に玉泉王廟としてつくられたのが始まりとか。 広い池には、玉龍雪山からの雪解け水や湧き水が流れ込み、透明度の高い水が美しい。 この池から望む玉龍雪山は格別の素晴らしさである、と知らされてきたが期待したほどではなかった。 天候が今いちで雲が多く、その上「玉龍雪山」は遠く、すっきりとは見えなかったからである 【写真3点】
玉龍雪山遠望
玉泉公園入口の門
透明な湧き水と魚影
◆東巴文化館
 公園の一隅に建つ東巴文化館を訪ねた。館内の展示は、東巴文字に関する資料だけであった【写真下】。 しかも、主たる目的は「売らんかな」の展示販売のようで、いささかガッカリである。 それはともかく、東巴文字は、納西族が古代から伝えて来た象形文字であり、世界で唯一、現在も生き続けている貴重な文化である。 この文字を含め、民族舞踊や壁画など独特の文化が現代に継承されている。継承者の一人である東巴先生に 会うことが出来た【写真右】。 会場に居た男が、「今日は特別な日として先生が無料で希望の文字を東巴文字で書いて下さる。 材料費だけで結構だから、一枚記念にどうだ、どうだ」と盛んに勧めてくれたが、思い留まった。 確かに貴重な作品になると思ったが、我が家にはこの掛け軸を掛ける壁面がないのである。 東巴文字による印鑑作成も盛んに勧められた。相当心が動いたが、「此処での作成料は他より高いよ・・・」 ガイドのささやきがあり、これも思い留まった。
 我々が会場を出たらすぐその後に、帽子を取った東巴先生がガッカリした様子で出て来るのが見えた。

トンパ文字
トンパ文字の書家:トンパ先生
 一度、ホテルに帰り、ホテル内のレストランで昼食。小休止の後、麗江古城の見学に出掛けた。
◆麗江古城(麗江の世界遺産の一つ。1997年登録)
 玉龍雪山の雪解け水が、街の隅々まで行きわたり、この水の恵みによって栄えた街だと言う。 1996年の地震により大きな被害を受けたが、この災難によって世界の注目を集め、 貴重な文化遺産として修復が進められた結果、世界遺産として登録されることになったそうだ。

江沢民直筆の古城碑

 江沢民が書いたという「世界文化遺産 麗江古城」と書かれた大きなモニュメントを眺め、 その右手にある街への入口である小道を辿った【写真上】。 道の両側には土産物を売る店が犇めいていた。お客の居ない店では、店先で商品制作をしていた【写真右上】。 間もなく道は街の広場へと繋がり、其処には大勢の観光客たちで賑わっていた。 腰に七つ星をデザインした独特の民族衣装を着た納西(ナシ)族の人たちが円く輪を作り、 輪の中心にラジカセを持つ婦人がいて、そこから流れる単調なリズムに合わせて踊っていた。 飛び入りの観光客とも手を繋いで踊る彼女たちの表情は明るくて楽しそう。 観光の為、日当をもらって駆り出された地元の人たちであろうか。 おおらかに声を合わせ、元気に雰囲気を盛り上げていた【写真右】【写真下・2点】
レリーフ制作に励む土産店の職人
民族衣装のナシ族女性
飛び入りの娘さんも一緒に踊る
後ろ向きの女性がラジカセで音楽を流している


甍の街並
軒飾りと風鈴
 道は広場から四方に広がっており、その中の一つは街で一番の高台に伸びていた。高台には、萬古楼が建っていた。 其処から瓦葺き屋根の街並を俯瞰することが出来た【写真左】。 南宋(1127〜1279)につくられた街、およそ800年の歴史を刻んでおり、現在、明代に作られた民家が約千軒生きていると言う。 高台に伸びる道の両サイドには軒を連ねて民家が並び、総て長い歴史の色を滲ませていた。 その中の一軒の庭先に、沢山下げられていた風鈴が風に揺られて、心地よい音色を響かせていた【写真左下】
◆中国茶
 展望を楽しんだ後、格式高いお茶屋で一息入れた。ウーロン茶、プーアル茶、ジャスミン茶等々、 店主が説明しながら次々と目の前で煎れてくれる【写真右・左】。 遠慮なく、出されたお茶を飲み比べてみた。種類の違いとそれぞれのお茶に適した湯温、煎れ方などを教えてもらった。 当地ならではというお茶をリクエストしたら、薔薇茶を試飲させてくれた。 山野に自生する小さな薔薇の蕾みをお茶に仕立てた物だと言う。ほのかな甘味と香りが気に入った。 現地ガイドの紹介もあり、それぞれ高価なお茶であったが信頼して購入した【写真右・右】
中国茶を試飲させてくれる店主
購入した中国茶ニ種
◆旧市街を散策
 16:00〜。集合時間迄2時間あるので、写生道具を肩に旧市街を散策してみることにした。 裏通りには、生活に直結する食品を扱う店が並び、静かな通りでは路上で将棋を楽しむ男達がいた。 子供の頃、縁台将棋に興じたことが思い出されて懐かしい。街中を流れる清流では、洗濯している女の姿があった。 時空を越えて懐かしさがこみ上がる。其処此処に、いかにも平和で穏やかな人々の生活が眺められた 【写真右】【写真下・5点】

路上で将棋を楽しむ人たち
揚げ物とパンを売る娘
街路樹の石楠花
柳が美しい大通りの商店街
街中を流れる清流で洗濯する人
古い街の静かな通り
◆釣銭詐欺?事件
 その内、小用をしたくなった。先刻,沢山飲んだお茶の所為であろう。地元の男が用を足しているのを見かけたが、 世界遺産のこの街中で真似する訳にはいかない。ともあれ、このままでは落ち着いて写生することは出来そうにない。 幸い、家内から預かった50元紙幣があることを思い出し、公衆トイレに急いだ。受付の娘に50元紙幣を差し出すと、 びっくりした表情で受け取った。事務所から男と女が出て来て紙幣を改め、3人が顔を見つめ合い、なかなか釣銭をよこさない。 急ぐよう催促したら、外人であることに納得したのか、笑い乍ら沢山の少額紙幣を揃えて手渡してくれた。 急いでいたので金額を確かめることもせず、そのままポケットに納めて忘れていた。ホテルへ帰って、家内に釣銭を渡したら、 これだけか?と。44元しかないことにビックリである。5角(1元の半分)で済むものを、6元も取られてしまっていたとは! 「してやられたか!」と、悔しい思いを味わう。油断をしていたことを反省して、諦めることにした。
 無念な思いを、家内が添乗員に告げた。話は、現地ガイドにも伝えられることになった。 二人も憤慨してくれ、そのトイレに抗議するから、一緒に行こうと言う。金額の問題ではない。 そんな気持ちのまま日本に帰って欲しくないからと。そうまで言ってくれる二人の誠意に応えないわけにはいかない。 一度は諦めていたのだが、添乗員も同行して4人で出掛けた。受付の係員は別の女性二人に交代していて不在であったが、 ガイドが粘り強く抗議をした結果、正当な釣銭を返してくれた。 「悪意があってしたことではないと信じる」と言い乍ら。水に流そう。そして、ガイドの誠意に感謝する。 明るい気持ちで、ホテルへ引き上げた。



 18:00〜。古城内にある紅桜飯店にて夕食【写真下】。(納西料理、納西火鍋)

モソ料理
 20:00〜。東巴宮民間芸術団による納西族の伝統音楽を鑑賞した 【写真下・5点】。 群舞、民謡、民族楽器の演奏、恋歌、東巴文字の実演も行われたりして、結構楽しめた。 ステージの右上に英語の蛍光字幕があって、おおまかな意味は分かる。 最後迄鑑賞していたのは、グループの中で我々二人だけであった。
古楽器演奏
2本の角笛を同時に吹く人間国宝
口琴演奏
先祖を祀る踊り
トンパ文字の清書実演


 会場を出て、古城内の大通りをホテルへ向う。まだ総ての店には灯りが灯り、ライトアップされた古城が美しい 【写真下・2点】。世界遺産の街は、まだまだ行き交う人たちで賑わっていた。
城壁のレリーフ
ライトアップされた古城
ライン


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