★ 2000 のんびり・スイスの旅
スイス国旗  ◆ 18日目(7月28日) 【全体地図】 目次へ
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【本日の旅程】=ダヴォス(泊)、→シャッツアルプ→ストレラアルプ トレッキング

 残念ながら朝から雨。仕方がない。今日は一日、のんびり骨休めをしようと思う。しかし、家内はクールへ移動しないかと言う。クールならば、雨が降っていても観光出来るスポットが沢山あるが、此所ダヴォスじゃそれはかなわぬ、と。元気なのは嬉しいが、帰国までにまだ一週間を残している、今回はのんびり保養も兼ねての旅なのだから無理するのはやめようと説得する。朝食もゆっくり、8時半になって食堂に降りた。
 雨は止みそうにない。行ってみたいと思う所もない。それではと、雨降る情景の写生をすることにした。幸いベランダは屋根付きで広いし、椅子もテーブルも備え付けの物が置いてあった。
 2時間余りかけて、ペンで描き彩色。寒さに震え乍らの写生であった所為か、疲れてしまった。肩も痛くなったので、家内に頼み、肘で押したり叩いたり、アンメルツをぬってもらったりして、ひと休みした。
 12時。雨が上がり、急速に晴れ間が広がってきた。爽やかな朝を迎えたような感じである。こうなると落ち着いてはおられない。
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シャッツアルプへのケーブル
昨日とは反対側の斜面を歩いてみようと話は決まった。部屋で昼の食事を済ませ、1時にはホテルを出た。予定のコースは、
Davos Platz →(ケーブル)→Schatzalp →Strelapass→(panorama weg)→Davos Dorf である。


◆ シャッツアルプ <Schatzalp>

 1時半、ケーブル駅に着いた。駅員の話によると、シャッツアルプから峠までは歩いて1時間余りだろうと思うが、天気はどうだろうねと言う。先程までは、快方に向っていると思った空模様だが、何だかまたしても怪しい雲行きになってきていた。残念だが、峠から先の予定は変更することにして、天気と相談しながら、行ける所まで行き、Uターンすることにした。往復キップを買ってケーブル【写真右】に乗り込む。客は4人だけであった。
 シャッツアルプ<Schatzalp>(1861m)は、閑散としていた。雲の動きが忙しく、陽が当たると暖かいのだが、寒々とした空気に包まれていた。駅前にはびっくりする程大きなホテルが建っていた。一体部屋数が幾つあるのだろう?、余りの窓の多さに数えてみる気を無くしてしまった。今は改装中で泊り客は居ないけれど、雪のシーズンになるとどんなにか賑わうことになるのであろう。大きな建物を眺めながら、賑わう様子を想像した。

シャッツアルプ付近からの眺望
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突然のヘリ飛来
 雲行きは落ち着かないが、ともかく峠に向って歩き始めた。10分位歩いたら展望が開けた。昨日訪ねた山並みが左右に広がり、その稜線の向こうにセルテイックデルフリで写生した黒い山を眺めることが出来た【写真左端】
 展望を楽しんでいたら、足下から爆音が近づき、突然すぐ目の前にヘリコプターが姿を現わした【写真】。しかも、僕らの頭の上まで来ると停止し、すぐ横の草地に舞降りた。一瞬、僕らを追いかけて来たのだろうか、と思ってしまった。こんな近くでヘリコプターを見るのは初めてのことであるし、驚いてしまった。4人の男たちが降りてきて、放置されていたブルドーザーのシャベルにロープをつけた。ヘリコプターは、それを軽々と釣り上げ麓に運び終わると、また戻り4人の男を拾って、鳥の様に飛び去って行った。
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ストレラアルプにて
 更に20分位歩いてストレラアルプ<Streraalp>【写真右】に到着。此所でポツポツと雨が降り始めてしまった。やはり、心配した通りになったか−−−これ以上先に行くのは断念してUターンする。雨は、まもなく雹に変わり、雨具に音をたてて降り始めた。山での急変する天候には慣れているが、まさか、雹になるとは思わなかった。途中で雨宿りしたが、雨脚は強くなるばかりで一向に止みそうにない。諦めて、緩い下りの山道を慎重に駅まで引返した。

 街に戻っては来たが、雨は本降りである。時間はあるが雨の中を散策する気にはなれない。バスが無料であることをいいことにして、ダヴォスの端、バーンホフ ドルフ<Bahnhof Dorf>まで行ってみることにする。細長い街だが、結構人通りは切れ目なく賑わっていた。この駅前にもインフォメーションがあり、駅を過ぎると、突然寂しい通りになってしまった。
 再びバスに乗って、帰途につく。このメインストリートに警官が沢山出ていて、車規制をしていた。通行規制と駐車禁止を徹底している。明日、スイスアルペンポストマラソンが開催されることになっているから、その為の車規制が始められたのかな、と思ったが、そうではなかった。毎週金曜日の夜は、歩行者天国にして、通りでは種々の催しをして皆で楽しむのだと言う。


◆ 夜の歩行者天国
 夕食を済ませて、街に出かけてみた。雨は上がり、涼しくて爽やかである。大通りは、沢山のファミリーたちで賑わっていた。スーパーのミグロの店先ではスポーツ飲料とバナナを無料でサービスしていた。僕らも貰った。お礼を言うと、にこやかに「スイスからのプレゼントだ」と応えてくれた。ホテルの庭では特設舞台が作られて、歌やバンド演奏が華やかな照明を浴びていた。通りには屋台が並び、風船が彩りを添え、催し物に人だかりがしていた【写真下左】。ハンマーを打ち降ろして自分のパワーを確かめる遊具には、子供たちが列をなしていた【写真下中】。中古の乗用車を鉄のハンマーで破壊する催しには、若い娘がヘルメットを付けて挑戦していた【写真下右】。カジノの店先ではルーレットが回され、カードゲームを楽しむ人たちもいた。プロの鮮やかなカード捌きに見とれ、音楽を聞き、店をひやかし、各々に楽しんでいる人たちと一緒になって、時間が経つのを忘れてしまった。いつの間にか通りには灯が点されており、日本の夏祭りの夜のようであった。

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賑わう通り
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ハンマーで力試し
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自動車壊し

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