2008フランス周遊の旅

◆1日目(11月21日)晴れ

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◆初冬の旅立ち

 11月も半ばを過ぎると、寒さが身にしみるようになってきた。成田集合の時間は10時だが、余裕をもって7時少し過ぎには家を出た。2分も歩くと、道の左右に畑が広がる。未だ朝日に照らされていない畑は一面の霜。冬らしい清新な景観であった。風はないが、ひときわ寒さが感じられ、フランスの寒さは如何であろうか・・・と、早くも思いは空を飛ぶ。旅の一歩を踏み出していることを実感しながら、駅への道をゆっくり歩いた。

◆A夫妻の遅刻

 いつもの様に、日暮里駅で京成電車に乗り換え、予定通りに成田第2旅客ターミナルに到着したのは決められた時間の30分前。3Fの受付カウンターに着いたが、ここで合流する予定のA夫妻の姿が見あたらない。おや? と思う。二人に限って間違いはないだろうと思うものの心配になった。手続きを済ませたら10分経過していた。未だ現れない。とうとう約束の時間になっても姿を見せない。添乗員に聞くと、参加者の内、チェックインが済んでいないのはA夫妻だけだと言う。何か交通事故にでも巻き込まれたのだろうか? 心配になって、再度、添乗員に尋ねてみた。
「先程電話がありましてね、リムジンバスが遅れているようです。」
A夫妻が到着したのは、それから20分位経った頃だった。急がず慌てず、悠々と現れたお二人、さすが旅慣れたお方の貫禄である。久しぶりの再会を喜びあった。

◆VIPラウンジ


パソコンの並ぶVIPルームからの眺め

 手荷物検査、出国検査を済ませて出発ゲートへと進む。いつもならゲート前の待合室で搭乗を待つのだが、今回は違う。ビジネス利用の場合は、VIPラウンジでゆっくり寛ぐことが出来るのである。A夫妻に案内されて、その特別室に入った。初めてのことである。
 静かで明るくゆったりとしたラウンジには、飲み物や美味そうな高級食材が豊富に用意されており、自由に使えるパソコンも窓際のデスクに並べてあった(写真上)。インテリアにも配慮が行き届いていた(写真下)。


照明にも気配りのある静かな室内

いろんなお酒やコーヒー、おつまみなどが揃えてあった

 一人、新聞を手にしてソファーに寛ぐ中年男性の姿があった。黒いカーディガン姿で、いかにも寛いでいるように見える。テーブルを仕切る衝立ての影に2・3人の頭が見えたが、室内は静かである。窓には大きなジャンボ機が見えるのだが、外の騒音は一切入ってこない。いささか興奮気味の気持ちを抑えて、先ずは静かにビールで乾杯。缶ビールではなく、生ビールであることも嬉しい。次にシャンパンを少々。お酒の好きなA氏はブランディも楽しんでいた(写真右)。こんな空間でこんな贅沢なご馳走にありつけると知っていれば、しっかりお腹を空かせておけがよかった・・・! 悔しがっても後の祭りであった。

◆ビジネス料金

 ビジネス料金は、こんな形でのサーヴィスとしても還元されているんだという事を実感したのは、新鮮な体験。当然のサーヴィスとはいえ納得させられる思いがした。出発予定の時間は12時。それまでの約40分間は、瞬く間に過ぎ去った。搭乗開始の知らせを受けて、席を立つ。並ぶご馳走や飲み物を横目で眺め乍ら、次回はこのサーヴィス、しっかり受け止めさせてもらおう、と心に誓う。貧乏人の思うことは、何処迄もいじましい。


フィンランド航空:AY-0074便

 搭乗口近くから今回初めて利用させてもらうフィンランド航空のジャンボ機が見えた。北国らしい白地の上に青のロゴマークと尾翼のデザイン。落ち着きと清楚な感じを受ける。バッグからカメラを取り出し、シャッターを切った(写真左)。無事、ヨーロッパまで飛んでくれることを願う。エコノミークラスの人たちとは別の入り口からするりと搭乗した。

◆ビジネスシート


凍れるシベリア上空を飛ぶ

 案内された座席は、ゆったりとしていて快適そうだ。日本人の美人スチュアーデスがやって来て、靴を預かると言う。上着もハンガーに掛けて預かってくれ、「ゆっくりお寛ぎ下さい」とニッコリ。いい気分である。スイッチを押して、シートを倒してみる。ほぼ120度。思い切り足を伸ばしてみたがまだゆとりがあった。外人仕様に設計されている機体だから、小柄な日本人には余裕がある訳だ。これなら、足の血流を心配する必要もなく眠って行けそうだ。サーヴィスも申し分ない。ビジネスに決めて良かったと思う。


夕暮れのヘルシンキ国際空港

 ほぼ予定通りに離陸したAY-0074便は、凍てつくシベリア上空を静かに飛び越え、15時05分(日本時間:22時05分)、無事ヘルシンキ国際空港に着陸した。外気温1度。空港上空は夕焼けに染まり、草地には雪が固く張り付いていた(写真右)。此処迄の10時間のフライトは快適であり、満足出来るものであった。

◆乗継いでミラノへ


中型機のAY-0795便

 一度バスに揺られてターミナルに移動、1時間ほどの待ち合わせで、再度バスに揺られ別の飛行機に乗り換えた。此処からミラノまでの2時間のフライトはエコノミーシートである。照明灯に明るく照らされた夜の空港を、中型機のAY-0795便は、現地時間16時10分、予定通り離陸した(写真左)。


ミラノ:マルペンサ空港で迎えのバスに乗る

 18時10分、ミラノ:マルペンサ空港に到着した。この空港は、今回で3度目の訪問になる。最初はSIBATA夫妻と一緒だった。2度目はオカメの遺骨を抱えての到着であった。それぞれの思い出に耽り乍ら駅舎の中を移動した。迎えのバスに乗り込み、ホテルに向う(写真右)。ホテルは郊外に在るという。夜道を40分も揺られて到着した(写真下)。味も素っ気もないB級ホテルだが、寝るだけである。我慢するとしよう。ヘルシンキまでのフライトで、ゆっくり休めたのが良かったのであろう、疲れを感じることなくホテルの一夜を過ごすことが出来た。


ホテル・アルガ

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