2008カナダへの旅

◆6日目(7月17日)快晴

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ビクトリア山

 しっかり睡眠が取れたからであろう、壮快な気分で朝を迎える事が出来た。ロッジの3階ベランダに上がって見たら、雪を頂いたヴィクトリア山が見えた。どっしりとした姿は、風格を感じさせてなかなかに美しい(写真左)。


朝食

 朝食は、ロッジのレストランで摂った。卵二つの目玉焼き、ソーセージ、ポテト、トーストの盛り合わせ。そしてコーヒー、ジュース、フルーツ。まずまずの豪華版である(写真右)。食欲もあり、無理なくお腹に収まった感じがする。ようやく、体調も回復出来たように思えて嬉しくなった。

◆レイクルイーズ目指して


ロッジを出発

 今日は、先ずは昨日行く予定でいたレイクルイーズを訪ねることにした。そして、アグネス湖まで登ってみたいと提案。家内は反対したが、様子をみて判断するということで了解。昨日の失敗を繰り返すことは出来ない。しかし、昨日に比べてベターな体調だから充分可能だろうと思う。更に、今夜の宿はナムタイジャー。35キロ走らなくてはならないことを忘れてはならない。会計に時間が掛かってしまい、その分出発が遅れたが、今日も車は快調に走ってくれた(写真左)。

 レイクルイーズの駐車場は、まだ沢山空いていて、湖に近い場所に駐車することが出来た。以前と違って駐車場も湖へのアプローチも奇麗に整備されており、とても立派な公衆トイレが新設されていた。早速立ち寄り、人気の高い観光スポットだけのことはあると感心する。


レイクルイーズ

 既に湖のまわりには沢山の観光客がいて賑やかであった(写真上)。背後にビクトリア氷河を抱く湖の景観は文句なしに美しい。湖畔の左手にボート乗り場があり(写真下)、人影の少ないその近くでスケッチブックを広げた。


レイクルイーズのボート乗り場(水彩)

湖畔に建つ豪華ホテルの前でちょっとだけ立ち止まる(写真下)。色とりどりの花が飾ってあり、今日も華やいで見えた。


湖畔に建つ高級ホテル前にて

◆ミラー湖目指して


野鳥

 ミラー湖まで2,7キロ、アグネス湖まで3,5キロの標識を確認して,登り始めた。健常な足ならば、何ということはない距離であるが、昨日のことがあるので、より慎重に足を運ぶ。凡そ200歩歩く毎に小休止を繰り返しながら距離を伸ばした。樹林の中を登る道は手入れが行き届いていて快適である。この道も、以前歩いたことがあるので、安心感が伴う。時折、野鳥が近くの枝まで飛んできて、美しくさえずり、励ましてくれた(写真左、下)。


野鳥
 ノロノロの登高ではあったが、なかなかミラー湖が現れない。足が重くなってきた所為もあり、こんなに遠かったかな?と思う。展望の良い場所でしばし休憩していたら、ガイドに先導されて馬の背に揺られ乍ら登山をするファミリーが現れた(写真下)。なるほど、これなら展望を楽しみ乍ら優雅に登山が出来るというものだ。しかし、乗馬の経験がないと無理かもしれないな、と思う。

しばし休憩

馬に乗ったガイドが颯爽と

明るいミラー湖

 下りて来る人に、何度も「ミラー湖は近いか?」と尋ねた。答え方はさまざまだが、笑顔で「がんばって!」と言ってくれる。昨日に比べて、さほどの息苦しさは感じない。まだまだ頑張れるぞ、と気合いを入れ直す。しかし、相当辛くなってきた。100歩歩いて小休止の状態になった。そんな時、ミラー湖は、唐突に現れた。吹き抜けになった上空から陽が射し、予期せぬ明るさの中に、円い形の湖は想像以上に美しく輝いて見えた。目出たく,とりあえずの目標、達成である(写真右)。ゆっくり休むことにした。

 菓子パン、バナナ、野菜ジュース、ソーセージで、遅くなった昼食を摂る。匂いで分かるのか、何処からともなく一匹のリスが走り寄ってきた。すっかり人間に慣れてしまっていて、大きな眼でまっすぐみつめ食べ物をねだる。野性動物に餌を与えてはいけない、とは分かっているのだが、その可愛さにほだされて、パンやクッキーを分け与え、しばらく、遊ばせてもらった(写真下)。

リスと遊ぶ

餌をねだるリス

餌をねだるリス

リスと遊ぶ

餌をねだるリス

◆アグネス湖目指して


アグネス湖の下に到着

 しっかり休息を取ったので、疲れも大分解消出来たように思う。見上げる湖面の向こうの高みに、アグネス湖畔に建つ山小屋を望見することが出来た。動いている人の姿も確認出来たし、その小屋からの展望を、容易に思い浮かべる事が出来た。此処から、凡そ800メートルの距離しかないではないか。行けると思った。このまま下山すれば、後々悔やむことになりそうだ。行きたいと強く思った。

 案ずるより生むがやすし、である。覚悟した程の難儀もしないでアグネス湖の下に到着出来た(写真左)。


アグネス湖の豊かな水を落としている滝の横から急な傾斜の木の階段を登りきると、懐かしいアグネス湖の全貌を見渡すことが出来た(写真下)。湖畔に建つ小屋のベランダには沢山のハイカーが寛いでいた。

アグネス湖

◆気まぐれな山の天気


小雨の中を慎重に下山する

 前回は、湖面も白一色だった。今回は、湖を取り囲む山に少しの残雪もなく、山肌は逆光に隠されて色味の美しさが消されていた。しかも、先程迄雲間から射す強い日差しに困惑していたのに、急速に雲は厚さを増して、湖水の美しさも奪われていく。期待が外れて、いささかガッカリである。それでも、これで見納めになるだろうと思うと、このまま立ち去るには忍びない。急いで、スケッチブックを広げて描き始めた。

 山の天気は、気まぐれで変わり易い。急速に気温が下がり始め、湖上を走り始めた冷たい風が体温を奪って行く。家内が、スカーフを貸してくれたが、落ち着いて仕事が出来なくなった。天候は悪くなる一方であり、遂に雨滴が画面に落ち始めた。万事休す、である。 未練を引きずるいとまもなく、急いで道具を片付け下山を始めた。さほど強い降りではないが、雨具を被り慎重に道を下った(写真右)。
 雨は,局地的なにわか雨だったようだ。30分もしたら陽が射して来た。日差しを背に受け乍ら雨の中を歩く(写真下)。間もなく雨は降り止んだ。山全体がしっとりとした潤いに満たされ、気持ち良く歩くことが出来た。

日差しを背に受け乍ら雨の中を歩く

沢山咲いていた小さな花

 時々可憐に咲く草花(薄黄色のオダマキ)を見つけては立ち止まり(写真右、下)、ゆっくり道草を楽しみ乍らレイクルイーズに帰り着いたとき、湖畔は暖かい日差しに包まれ天気はすっかり回復していた。


オダマキも咲いていた

レイクルイーズ湖畔

知り合った日本人夫妻と

 湖畔の宿に泊まるという日本人夫妻と知り合い、しばらくベンチでひと休みしながら談笑。住所を交換して別れたが、とても仲の良い好感の持てるカップルであった。ともあれ無事帰着できたことに満足。まだまだ人影の多いレイクルイーズに別れを告げた。


ボウ湖の上に虹

 Villageのサムソンモールで夕食用の食材を買い、今夜の宿:ナムタイジャに向ってアクセルを踏んだ。途中、強い雨に降られたが、ナムタイジャに近づくにつれ小降りとなり、西の雲間から陽が射し始めた。チェックインを済ませて外に出てみたら、ボウ湖の上に虹がたっていた(写真上)。


ボウ湖の夕暮れ
 予約しておいた部屋は,湖に面した2階の部屋。以前泊ったことのある部屋の隣りであった。クイーンサイズのベッドが二つ。広いだけが取りえの部屋で、テレビもエアコンもなく、床は板張りで正に山小屋と同じである。なのに、一流ホテル並みの料金である。根強い人気があり繁盛しているのだから仕方がないが。
 窓からの展望は期待通りの景観であった。自前の食材で夕食を済ませたあと、窓からの眺めをスケッチブックに。取りあえず、鉛筆だけでラフスケッチをしておいた。彩色は明日、快晴になることを願い、早めに休む。

ライン


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