★キューバの休日8日間
◆5日目(1月17日) くもり 目次へ
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◆チェ・ゲバラ
 8時半、キューバを代表するリゾート地:パラデロに向って出発したバスは、途中、先日と同じサービスエリアでトイレ休憩を取った。

 売店にチェ・ゲバラ(1928〜67)の素敵なブロマイドが何枚も並んでいた。カストロと力を合わせて革命を成功に導いた指導者として 余りにも有名であるが、その人柄もマスクも人気が高く、Tシャツからペンダントまで様々に商品化されて外貨を稼いでいるらしい。 僕らも、記念にブロマイドを3枚買った。
人気NO.1のチェ・ゲバラ
◆高級ビーチリゾート
 3時間余りでパラデロに到着した。此処は、世界一美しい海岸と言われている高級ビーチリゾート。 もとはアメリカの大富豪たちが作り上げた別荘地だそうだ。海岸に沿ってカラフルで大規模なホテルが建ち並び、 いかにも、リゾート地らしい明るい景観である。バスは、ホテルに着く前に、レストランの在る公園の中に駐車した。 時間を見ると、11時50分。丁度ランチタイムになっていた。
◆人気メニュー
 静かな公園の中のレストラン:LA CAMPANA【写真下・2点】

レストラン:LA CAMPANA
レストランのベランダ


 明るいベランダに並ぶテーブルに陣取ると、自慢のキューバ料理が、大きなお皿に盛られて次々と運ばれてきた 【写真下・3点】。 サラダはともかく、コングリは今迄の中で一番美味しく思われ、 皆さんの評判も良かったようだ。
 キューバでは豚肉が一番好まれるそうだが、そこにバナナが添えられていたのは、いかにもキューバらしい取り合せ。 「コングリと豚ステーキ」、これがキューバを代表する人気メニューということだ。ちなみに、料理に使うバナナは、 生で食べると美味くはないそうだ。

 食後、少しだけ池の畔で休息したあと、ホテルへ向った。
コングリ
豚ステーキ・バナナ添え

野菜サラダ盛り合わせ

◆人影のない海岸
 今日の宿:ホテル:パラデロ・インターナショナルに到着したのは、1時40分。
 玄関ロビーを出ると、其処は白い砂浜であり、シュロの葉で作られたパラソルが並ぶその向こうには ブルーの海が広がり白波が打寄せていた。砂浜には、沢山のイスが並べられているのに人影がなかった【写真右】。 今日は強風の為、遊泳禁止になったのだと言う。白く眩しい海岸には、注意を促す赤い旗が一点眼に鮮やか。 はためく旗を横切るように、波打ち際を老人が一人、通り過ぎて行った【写真下】
 普段なら、水着姿で賑わっているに違いない砂浜だけに、その静けさが一入印象的であった【写真右下】


強風・遊泳禁止

誰もいない海

パラデロ海岸で

◆砂浜での出逢い
 荒れる海ではあったが、その海の青さは格別に美しく、心に沁みる色であった。
 波に洗われる砂浜は、白く輝きながら果てしなく遠く迄続いていた。 成る程、世界一美しい海岸である。強風に押され乍ら、打寄せる波打際を散歩した。

 カナダから来たと言う子供連れの女性に出逢った。
 「海で遊ぶのを楽しみに来た」と言う。残念そうな子供をあやし乍ら、
 「しばらくこの海でバカンスを楽しむつもりだ、」 と、笑顔で話してくれた【写真右・上】
 いかにも幸せそうな母親は、子供にせかされて姿を消した。

 誰も居なくなった砂浜で、老犬との出逢いが待っていた。 所在無げな老犬に声をかけたら、少しだけ家内と一緒に歩いてくれた【写真右・下】

カナダから来た親子づれ

老犬と散歩する

老犬と海(瞑想?)

 家内がホテルに引き上げると、老犬は一人沖を見つめて動きを停めた。 午後の陽射しに向い、静かに腰を下ろした彼は、自分だけの世界に浸ってしまった【写真上】。 打寄せる波の音を聞き乍ら、何を想うのであろうか。 ・・・「老犬と海」、きっと想像を絶する物語があったのに違いない。 淋しげな表情を見ていたら、もはや声を掛けることは憚られた。僕は、そっと彼の側を離れた。

 逆光の中に浮かぶ孤独なシルエット、哀愁が漂っているように思えてならなかった【写真下】
老犬と海(追憶?)

◆サボテンの樹?
 町の中心に規模の大きい蚤の市があると聞いて出掛けることにした。徒歩20分位だと言う。 町の観光と運動を兼ねて、ぶらぶら歩いて行くことにした。ホテルの広い敷地の中に植えられている樹を指差して、 「一見樹木のようですが、サボテンなのです」と、添乗員が教えてくれた。 近寄ってみれば、正にサボテンそのもの。初めて眼にする珍しいサボテンの樹?であった。
サボテンの樹

◆蚤の市でディスカウント
 メインの通りには。同じような土産店が幾つも並んでいた。おしゃれな喫茶店やパン屋さんもあり、 道を逸れると瀟酒な個人住宅が並んでいた。いかにもリゾート地らしい町の佇まいであった。 空き地を利用したミニ蚤の市もあったが、目指す蚤の市に着いた時は、30分を要していた。 公園のような場所に沢山のテントが並び、工芸品とか人形、CD、衣類、小物の品々が売られていた【写真右】
キューバ人形


 一回り見て楽しんだ後、革で作られたフクロウの飾り物とキューバらしい小さな人形を、土産に買うことにした 【写真右・2点】。 家内は、日頃研鑽しているスペイン語を使ってみたくて仕方がない。遊び心でディスカウントの交渉をしてみた。 家内のスペイン語に耳傾けた青年はニッコリ。すんなりOKをしてくれた。思いがけない成果に一瞬息が停まって、顔を見合わせる。 「ヤッタッ!」何より、上手に話せたことが嬉しかったのであろうが少なからず興奮、足取りまでが軽くなった様子である。 ・・・考えてみれば、ディスカウントの金額はたかだか50円程度のものである。しかし、価格が統制された社会制度の国でも ディスカウントがあり得たという驚きもあった。建前とは別に、柔軟に生きているその青年に親しみを感じた。 些細なこととは言え、そんなことで気持ちがうきうきしてしまったのだから、たわいない話ではある。
マラカスを持つ人形
ふくろう
◆「柔道」
 メイン通りに面して、「柔道」と書かれた道場があったので、覗いてみた。畳の上に正座しての日本式挨拶を見た。 柔道着を着ていない女の子も混じって、子供から大人まで真剣な表情で受け身や組み手の練習をしていた。
 青い衣装の男が師範代。自分は3段である、と胸を張った。「空手」の道場もあるらしいが、遠い日本とこんな形で 文化交流が進んでいることを、嬉しく思った。スポーツの世界は政治や宗教の枠に嵌められるべきものではないだろう、と。 礼儀を重んじる日本柔道が益々世界の柔道として普及すれば、より平和な世界が育つはずである。 道場に一礼し、子供たちに手を振って別れてきたが、今日の思いがけない「柔道」との出逢いで、又一つキューバとの親しみが 深まったことを感じていた。帰路は、タクシーを使った。
街の道場
稽古風景
ライン


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