フィルストに到着したが霧は晴れず。雨にはならないが冷え込むので、ザックからセーターを出して着込む。ともあれ停滞していても仕方のないことだから、バッハアルプゼーに向って歩き出した。歩いているうちに晴れてくれるといいのだが・・・浅い視界の中では展望の楽しみはなく、ひたすら歩くだけである。道も半ばを過ぎたあたりから霧は一段と深くなった。思い返すと、テレビの予報も良くなかった。濃い霧に包まれて歩いていると、ますます先行きの期待も持てなくなった。・・・歩くだけが目的ではないじゃないか。潔く断念。来た道を引き返すことにした。
フィルストの駅近くまで来た時も、周囲はまだ霧の中であった。時間的にSIBATAさんたちが到着する頃だと思い、すれ違う人に注意をしながら、此処迄来てしまったが姿なし。駅前でしばらく待っていたら、期待通りSIBATAさん夫妻が霧の中から現れた。二人共に元気そうであり、久しぶりの再会を喜びあった。二人は歩くのが主たる目的、これからバッハアルプゼーに行き其処から歩いて下ると言う。
「晴れるといいね。気を付けて!」
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