2009フランス&スイスの旅

◆14日目(7月28日)曇り後晴れ

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 6時、窓の外は濃霧。
 7時、濃霧はそのまま。静かな朝である。
 8時過ぎから、朝食。女将の話しによると、昨夜は雷雨。稲光が凄かったそうだ。それに気付かず寝ていたということは、熟睡出来たということだろう。
 スイス在住の圭子さんから電話を頂いた。お互いの元気を確かめ合えて何よりである。気軽く会える距離でないことは承知であるが、少し無理をすれば何時でも会える距離である。頼れる友が居てくれることを感謝する。心強い限りである。

◆再度シルトホルンへ


ホテルの隣りに建っている教会も霧の中

雲が切れ、山並みが見え始めた。

 9時、空が明るさを増し、霧が晴れ始めた。雲海の上に居並ぶだろう山々を想像したら、実際に見てみたくなった。又とないチャンスに思われ、急いで支度を整え出発した(写真上/下)。

Murren → Birg ←→ シルトホルンの切符を買う。帰路はBirgから歩いて下ることにした。昨日アルメントフーベルで出会った若い日本人数名は約3時間かかったと言っていた。時間をかければ、僕らだって大丈夫だろう。先年、Elliさん夫妻も歩いているし、実はそのレポートもプリントして持参してきたのである。僕らの体調も良好だし不安材料は何もなかった。


霧が晴れ、陽が射して来た道をケーブル駅に向う。

 展望台からの眺めは、想像していた通りの素晴らしいものであった(写真下)。丁寧にカメラに収め、去り難い思いを断ち切り11時半、ゴンドラに乗りBirgに下った。


シルトホルン展望台からのパノラマ(ブライトホルンとプリュムリスアルプ連峰)

◆Birg(2677m)からアルメントフーベル(1907m)へ歩いて下る


雲海の広がる中間駅Birgに降り立った

雪渓を慎重にトラバースする

 Birg駅で降りたのは我々と外人ファミリー(4人家族)だけであった。話しかけてみたらドイツからやって来たと言う。気持ちの良いファミリーであった。下山ルートを確かめ合い、先に行ってもらった。ゴールまでの標高差は770m。
駅を出て左折(写真左上)、しばらく下って今度は右折。谷に沿って真っ直ぐ下れば、ゴール地点に行けるはずである。最初の雪渓を慎重にトラバースした(写真右上)。谷は広く、傾斜も緩く、ルートを迷う心配はなさそうだ。残雪に足跡を付け乍らのんびり下る。振り返ってみたら、稜線の上にゴンドラの姿が小さく見えた(写真左下)。
 時折、霧に包まれ視界が浅くなったが、ルートであることを示す白地に赤の道標があって安心である(写真右下)。霧が無ければ、ユングフラウ3山を眺めることが出来るのだろうな、しかし、この霧がなければ太陽の直射を浴びて暑い思いをさせられているのかもしれない。適温の中を歩けることに感謝しよう。


下ってきた残雪の多い谷を振り返ってみた

時折濃くなる霧の中を、標識を確かめながら下る。

霧が濃くなるとその分、足元を確かめ乍ら歩くことになった。岩陰に小さな花がたくさん咲いていることに気付くことにもなった。「奇麗だね!」、声を掛け乍らカメラに収めた(写真下)。
 霧は時々消えて遠く迄見通させてくれたので、不安に思うこともなく歩くことが出来た(写真右)。


陽が射して来た谷を下る

谷間に咲いていた花々

ドイツから来たファミリーと

メンヒとアイガーが迎えてくれた

1時間位歩いた地点で、霧の中にシルトホルンヒュッテの屋根と旗が見えてきた。此処でコーヒーブレイク。ドイツ人ファミリーも休憩中であった。このヒュッテからの展望は素晴らしいものに違いないと思う。しばらく待っていたが、霧は晴れてくれなかった。諦めて、霧の中を下り始めたら、ドイツ人ファミリーの楽しそうな声が追いかけて来た。ヒュッテの中でも再会を記念して写真に収めたが、再度撮らせてもらった(写真左上)。元気一杯の彼らは、手を振り乍らたちまち霧の中に消えてしまった。
 ヒュッテを出てから30分位歩いた頃、霧は消え正面にユングフラウ3山が顔をみせ始めた(写真右上)。青空も広がり始め、素晴らしく壮大な眺めである。道から外れ、草地に腰を下ろした。ゆっくり展望を楽しみたい。爽やかな陽の光りを浴び乍ら、パンと紅茶で遅い昼食を摂った。青空の中に白いアイガーとメンヒの姿が美しい。見納めになるだろうと思いながら1枚描かせてもらった(写真下)。


メンヒとアイガー

元気の良い羊たちとすれ違った

アルメントフーベルが見えてきた

 草原には沢山の羊たちが草を食み、移動する羊たちも元気が良い(写真左上)。眼下にアルメントフーベルが見え、間もなく昨日昼食を摂った峠のベンチにたどり着いた(写真右上/左下)。時計を見たら4時半。途中のコーヒーブレイクやスケッチに使った時間を差し引くと、凡そ3時間歩いたことになる。無事に歩きとおすことが出来てほんとに良かった。今日は、此処からミューレンまで、昨日使わなかったケーブルカーの切符を使って下ることにした。まだ時間はたっぷりある。ゆったりと草を食む牛たちと共に、駅前のベンチで3山との別れを惜しんだ(写真右下)。


昨日昼食を摂った峠のベンチが懐かしい

アルメントフーベル

アルメントフーベルの「特等席」

ようやく帰り着いたホテルの前で

ホテルに帰りついたのが5時半、未だ陽は高く食堂前に咲く花が美しく輝いていた(写真左)。  ミューレンでの最後の1日、充実した1日を過ごすことが出来たと思われ、満足である。9時、ほんのりと頬染めたブライトホルンに別れを告げた。


明日の快晴を告げるブライトホルン

ライン


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