★2005・スイス(イタリア・ドイツ)の旅
◆21日目(8月2日)晴れ 目次へ
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◆親友
 友人の名前はM子。僕の少年時代からの仲良しであり、同じように絵の研鑽を続けてきた生涯の親友である。 ドイツ人ジョニーと結婚して2児の母となり、ドイツでの生活が長いが絵の勉強を忘れたことはない。 2年前に新しく購入したという家はケルンの街中にあり、地下室、屋根裏の部屋を含めて6階半。 通りに面した長屋の一部で、玄関入り口の壁には,彼女が模写したという宗達の風神と龍の壁画があった。 さすが、見事な筆さばきである。
風神
◆日本留学の夢
 朝のジョギングを一緒にしてきたと言う息子のMと娘のAが、朝の食卓にやって来た。 仲良しの兄妹は、同じ大学のデザイン科に在籍して勉強中だが、交換留学生として武蔵野美術大学に留学することを希望している。 選考には日本語の会話が出来ることが条件になるらしいから、我々との日本語でのコミュニケーションは練習のチャンスである。 MもAも、英語は出来るのだが、もっぱら日本語で話すことを心がけた。目的意識を持っての努力は立派なものである。 留学の希望が実現したら、出来るだけの助力をすると約束、励ました。
◆紙の精霊舟
精霊船
 M子に、「おかめ」をライン河に流す話をしたら、気持よく協力してくれることになった。 先ずは、精霊流しの為の船作りを始める。アトリエから探し出して来た銀箔の紙を使って作り始めた。 昔、折り紙で作ったことがあるんだ・・・と記憶を辿りながら、何とか作り上げる事が出来た。 それだけでは淋しいので、庭に咲いていた藤色のテッセンを切り、飾り付けた。 船腹に別れの言葉を書いて完成である【写真左】。 庭に立つ灯籠をバックに記念撮影をすませたあと、M子の案内でライン河まで歩いて行く。
◆精霊流し
 ラインの流れは眼下にあっても、直接水辺に降り立つ場所はなかなかない。 対岸を眺めると、小さな河原があるように思えたので橋を渡った【写真右】。 高い堤防に刻まれた石段を見つけて下りると、小舟を舫いでおく小さな埠頭に繋がる桟橋があり、岸辺が狭い河原になっていた。 湖畔の水辺にも似て、水は小さな波を作っては岸辺に打寄せてきて、流れの本流とは結びつかない。 だから、小川に笹舟を流すようなわけにはいかないのである【写真下・左】。 やむなく、小さな埠頭の上から、舟を流れに乗せた。近くに遊んでいた水鳥がやって来て、付き添ってくれた 【写真下・右】
「さようなら!」三人で見送った。
此処まで無事に旅を続けてこられたのは、「おかめ」が一緒にいて守ってくれたからかもしれない。
「おかめ」ありがとう。お陰で楽しかったよ。
「おかめ」は、大聖堂に見守られながら、北海に注ぐ河口に向ってゆっくりと流れを下って行った。
橋を渡って対岸へ
ラインに流す
水鳥が付き添ってくれた
◆ケルンの老舗
ボリュームのある昼食
 大聖堂近くのFruhという、銀座のサッポロに似たビアホールで遅い昼食(じゃがいもとチキン)をとった【写真上】。 昔から従業員は全て男性だけという、この街の老舗だそうだ【写真右】。 老舗といえば、ケルンを代表するオーデコロンの店:「4711」が有名である。此処は、オーデコロン発祥の地である。 世界的に有名なケルンの水:オーデコロン「4711」の生産が始まったのが1709年。 その時の家の住所番号が「4711」だったので、それをそのまま商標にしたのだそうだ。 店内の壁には、占領軍であるフランス軍兵士が、家の壁に「4711」と書いている当時の様子を描いた大きな絵がかけられていた。 店の外も沢山の観光客で賑わっていた【写真下・2点】
 少しだけ商店街を散策、デパートで買物を済ませて、家路につく。
ケルンの老舗
オーデコロン「4711」の店
「4711」の来歴を示す壁画
◆ハッピーバースディ
 6時。ジョニーも会社から早く帰宅して家族全員が揃った。 今日は、僕の誕生日なので,僕の招待で食事に出掛けよう、そして一緒に祝ってほしいと、昨日提案をしておいたのである。 子供たちの提案でタイレストランへ行くことになり、6人で歩いて行った。小さな店で、それらしい雰囲気があったが、室内は狭い。 開放的な屋外のテーブルに落ち着いた。 それぞれが注文したタイ料理を、少しずつ味見しながら、ビールで乾杯!

 再び、3カ国の言葉を飛び交わせながら、色んな話題と種類の違う料理の味を楽しんだ。 友人一家とこんな形で今年の誕生日を迎える事が出来たのは、何よりである。 次回の誕生日も、健康な状態で迎えたいと思う。
友人一家と
タイ料理
ライン


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