阿蘇を師と仰ぎ、阿蘇の四季を描いた日本洋画壇を代表する芸術家の一人です。僕にとっては人生の恩師であり、永年絵の指導をして頂いた大切な人です。昭和50年に文化勲章を授与され、昭和59年、心不全のため86歳で急逝されました。先生の偉業を称え長く後世に伝え記念するため、沢山の人たちが資金を出し合って、昭和57年9月、この展望の良い場所に先生の画碑を建立しました。それから何度もこの画碑の前に立っていますが、その都度先生の教えを反芻し鼓舞されています。早いもので、建立されてから20年近くの歳月が過ぎてしまいました。
◆ 根子岳写生
9時、宿舎をあとにしました。国道265号線を北に走り、根子岳の東側で車を停めました。南側の斜面を登り、山腹に沿って蛇行する265号線を眼下に望みながら眼前に聳える根子岳を写生することにしました。風が強く、山頂は流れる雲に顔を見せたり隠したり、突如薄日に顔輝かせたりの変化の激しい様子に、自然と絵筆のタッチも激しいものになってしまいました。
◆ 城山展望所
11時、外輪山の一角にある城山観望所にやってきました。大観峰より東に10km位の地点です。先程写生した根子岳が遠く霞んでみえます。曇り日だから、見晴しの効かないのは止むなしと断念しましたが、足元の木々や草花に初夏らしい爽やかさがあり、これを近景に中景には水田を入れ遠く霞む阿蘇五岳を写生することにしました。今にも降り出しそうな空模様もあって、観光客に邪魔されることもなく仕事をするが出来ました。 |